光華女子学園

今月のことば

平成21年9月のことば
人間は闇の自覚なしに、
光の自覚があろうはずがない。(高光 大船)

七月二十二日、四十六年ぶりに日本で皆既日食が観測できるとのことで、天文ファンのみならず多くの人々がよい天気になれと願いながらその日を迎えました。しかし、日食が観測できる地域はあいにくの曇り空で、一瞬でも、との希みの中でその時を待っていました。皆既日食が最も長く観察できる悪石島もあいにくの天候で、皆既日食が始まるころには雷雨に見舞われてしまいました。雲の上では日食が進み、雲を通した地上も、薄暗くなっていき、やがて六分二十秒あまりの皆既現象で真っ暗闇となりました。このように日食観測という本来の目的は達成できなかったのですが、この闇の体験について、「短い時間であったが貴重な体験でした。光のありがたさが改めて実感されました。」と、異口同音に答えられていたことが印象的でした。光の中で周りのものが見えるという当たり前と思っていた状態から、何も見えなくなって、自らをも確実に見定められない、何が起こるかわからない不安な暗闇の状態を体験し、光のありがたさが実感できたのです。
私達は、日頃からあらゆることを自らの物差しで計り、それに適わないときは、悪い、不満だ、面白くないなど、そこから生み出される悩みや苦しみ、迷いの中で生活を送っているのではないでしょうか。その生き方が、あらゆるものを正しく見ることの出来ない、暗闇の中で生きていることと同じなのです。
仏教では、この悩み、苦しみ、迷う人間の生き方を、無明の闇の大海をさまよう船にたとえ、一方仏さま(阿弥陀仏)の人知を超えた究極の智慧を「光」と現し、無明の闇を破る「恵日」と説いています。
私達は、求めて仏教を聞き、「恵日」を実感した生き方をしたいと思います。(宗)

過去のことば

2023年

10月
8月
7月

2022年

5月
1月

2021年

2020年

11月

2019年

8月

2018年

2017年

11月

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

11月

2010年

2009年

12月

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

2002年

2001年

2000年

ページトップへ