我、他力の救済を念ずるときは、我が世に処するの道開け、
我、他力の救済を忘るるときは、我が世に処するの道閉ず。
(清沢満之「他力の救済」)
2001.12.18
「他力」とは「自力」に対するもので、私たちを無条件で生かしている大いなる力ということができる。自己の立脚地をこの大いなる力の上に置くとき、我々はおのずとこの世での自らの役割を見出し、それに邁進する道が与えられるのである。
しかし自我に閉ざされ、他に抜きん出て利得をむさぼろうとするとき、我々はたちまちにして閉塞的な状況に転落する。自力は時として他者との関係を切断し、我々が本来与えられている生への意欲をも削ぎ取りかねないのである。
いま一度、深く内省することによって、永遠の過去・無限の彼方からなる大いなる力に立ち返り、この世に処する道を真摯にたずねたいものである。