正思(しょうし)「八正道」
2005.11.18
仏教の基本的な修道法である「 八正道(はっしょうどう)」の二番目が「正思」です。「 正思惟(しゆい)」ともいわれるこの修道法は、正しく思惟すること、よく考えることを意味します。
八正道すべてに共通の「正」の語が意味するところは、有か無か、善か悪か、苦か楽か、といった極端な考えに 偏(かたよ)ることなく、現に今この身を取り巻いている諸般の状況を冷静に見聞きし知って、適切な判断を下すことを言います。仏教の基本的な立場としての「中道」の思想がここにも息づいています。
そのような公正な智慧に基づく思考法を、仏教は「正思」と位置づけるのです。(太)