2020年度「学園太子忌」を行いました
2021.02.26
2月22日(月)、本学光風館講堂で学園太子忌を行いました。
学園では、お釈迦様の誕生を祝う「学園花まつり」、宗祖親鸞聖人のご命日に聖人のご遺徳を偲ぶ「学園報恩講」、そして、聖徳太子のご命日に太子のご遺徳を偲ぶとともに、太子が日本にお広めになった仏教の教えを聞思する「学園太子忌」を学園三大行事として営んでいます。
法要では、各校園代表(学生・生徒・児童・園児代表)や教職員が参加し、献灯、献華、勤行に続き、真宗大谷派僧侶でアナウンサーの川村妙慶先生による法話が行われました。
法話では、聖徳太子はたくさんの方のお話を聞かれたというお話から、人間は生きているとよい話だけでなく、聞きたくない嫌な話を耳にすることもある、そんな時は仏さまがいつも私たちの傍にいてくださることを忘れず、自分らしく尊い命を大切に生きてください、とお話いただきました。
2020年度「涅槃会」を行いました
2021.02.15
2月15日、本学園慈光館太子堂にて、釈尊(お釈迦様)入滅の日(=ご命日:2月15日)に、釈尊への報恩の意を表し、み教えを改めて聞思する機会として、涅槃会が行われました。
参加者は、在校生を代表して中学1年生と教職員でした。
司会より、本尊の脇に掲げられた大涅槃図を観ながら、お釈迦様が出家をされ、お悟りを開かれたことや、沙羅双樹のもとで亡くなられた様子についての説明がありました。
音楽法要、勤行に引き続き、石原康史学園事務局長(学園宗教部員)による法話が行われました。
法話では、「坪倉優介氏の人生」についてお話されました。
坪倉氏は大学1年生の時にバイク事故に遭われ、それまでの記憶だけでなく、食べる・眠るなど生きていくために必要な能力や感情までをも失われました。家族や友人の支えもあり長い年月をかけて言葉や感情を取り戻され、現在は草木染め作家として活躍されています。坪倉氏の人生から、人はどのような苦悩も乗り越えられることができるということ、そして、日常で当たり前だと思っていることに感謝することが大切であるとお話しされました。
最後は、参加していた中学1年生に向けて、生活の中で当たり前だと思っていることは何ですかと問われ、坪倉氏の人生から感じたことを友達と話しあってみてください、と結びました。
サンキュー ブッダ
2021.02.02
東京大学で博士号を取得され、時の皇太子にもご進講された仏教学者の花山勝友先生が、かつて、アメリカの大学で教鞭を執りながら、浄土真宗のお寺の住職をされていたときの話です。
日曜学校を開き、小さい子どもたちにも楽しく仏教が分かるようにと、苦労を重ねられたのですが、肝腎の「南無阿弥陀仏」というお念仏の意味を翻訳してうまく伝えることができませんでした。
いよいよ日本に帰るという日、子どもたちに次のように仰ったとのことです。「先生は、今までいろいろな話をしてきたけれども、ひとつだけ心配なことがあります。それは、毎週毎週『なむあみだぶつ』を言わせてきたけれども、この『なむあみだぶつ』の意味が分かっているかどうかです。」すると、3歳の男の子が、「センセイ」と手を挙げ、「なむあみだぶつ・ミーンズ・サンキュー・ブッダ」「なむあみだぶつ」の意味は、「ありがとう仏様でしょう」と答えたのです。「なむあみだぶつ」は、「お願いします、助けてください」という呪文ではないのです。花山先生は、「こんなに素晴らしい翻訳は他にはない。大人はどうしても理屈でものを考えるため、この見事な答えを発見できないのだ。」と深く感銘を受けられたということです。つまり、「南無阿弥陀仏」というお念仏は、自分が「生きている」のではなく、「生かされている」ことに対する感謝の言葉です。まさに、他力の精神、「サンキュー・ブッダ」なのだと言えます。
以前、真宗本廟(東本願寺)の参拝接待所から御影堂に続く廊下に、次の言葉が掲示されていました。
「『私は正しい』 争いの根はここにある」
感謝の心がなく、相手を敬う謙虚さもなく、自力ばかりが先立ち、自分の正当性を主張することから、人と人とは争いを起こすという意味です。人が生きていく以上、誰もが身に覚えのある言葉ではないでしょうか。
このことについて、真宗大谷派修練道場長をされていた和田稠先生は、さらに視野を広げ、「人間中心主義」として厳しく糾弾されました。つまり、人類が「正しい」としてきたこの近代文明社会が、環境問題を生み出し、地球を破壊してきたという論調です。今日のコロナ禍もまた、生物多様性が失われた結果だと言えるのではないでしょうか。大いなる力への感謝・畏敬の念を忘れることの恐ろしさに対する警鐘だと捉えなければなりません。ここにも、「サンキュー・ブッダ」の意味が問われています。
最後になりますが、コロナ禍においては多くの問題が提起されています。その中の一つ、「自粛警察」というおぞましい言葉も耳目を集めています。「私は正しい」と信じるが故になせる業です。ファシズムの匂いさえ漂います。正しさや善意という価値観は、必ずしも絶対的なものではありません。ともすれば危険なものになり得るのです。
「サンキュー・ブッダ」
お陰様で生かされている喜びを味わい、報恩感謝の道を弛まず歩んでいきましょう。(宗教部)
小中高新校舎新築起工式を執り行いました
2021.02.01
2月1日(月)、小中高新校舎建設予定地において起工式を執り行いました。
当日は、新型コロナウイルス感染防止対策を講じ、阿部理事長をはじめ本学園関係者のほか、設計をご担当いただいている株式会社安井建築設計事務所、建築工事をご担当していただいている株式会社鴻池組の皆さまが参列し、工事の安全を祈念しました。
起工式では、阿部理事長が、「新校舎は、2022年度から行う小中高教育改革の実践の場であり、将来に向けてのシンボリック的な建物である。児童・生徒が共同して学べる場として、充実した教育環境となるよう、安全に配慮した建設工事をお願いします。」と述べました。
この新校舎は、小中高の校舎がつながり、教室・特別教室・コモンスペース等が混和する豊かな学びあいの校舎として、2022年4月竣工予定です。