光華女子学園

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学園長メッセージ

光華女子学園
学園長 阿部 敏行

現在幼稚園から大学院までを擁する光華女子学園が開学したのは1940年、爾来84年の星霜を重ねてまいりました。呱呱の声をあげた頃のわが国は、戦時色が深まり将に男尊女卑の世の中で、銃後の護りが女性の役割という時代でした。創設者の東本願寺大谷智子裏方(昭和天皇妃―香淳皇后―の妹君)は、将来女性は男性に伍して社会を牽引し、社会的地位の向上をはかっていかなければならないとお考えになり、その実現のために女子教育(当時女性の高等教育就学率は1%程度)の重要性を強く願われました。そこで創設されたのが本学園で、最初に高等女学校、続いて女子専門学校が順次開設されました。さらに終戦直後の学制改革を経て、幾多の苦難に直面しつつもこれを克服し、現在に至っております。み仏の光に照らされて、自らも清澄にして光輝く華のような、教養の滲み出るおおらかな女性を育成したいという願いは、校訓「真実心」とともに、「光華」にご縁をいただいた全ての女性の心に刻まれています。

本学園が80年余の歴史を刻む中、社会は大きく変貌し、現在では女性の社会進出が顕著となり、その生き方も多様化しています。しかしわが国では、ジェンダーギャップはまだまだ大きいのが実情です。今こそ人々がお互いに尊重しあい、協働して住みよい健全な社会を構築しなければなりません。

そのためには、今以上に女性リーダの活躍が求められます。学生たちが異性の目を意識することなく、周りに遠慮なく自由闊達に議論し、のびのびと学び活動できる環境は、共学校にはない女子学園ならではの大きな魅力です。本学園の学生諸姉はこうした社会でも活躍できるリーダの素養を修得しています。

さて、本学園では創設以来一貫して校訓「真実心」すなわち「思いやりの心」を根幹にした女子教育を実践してまいりました。そして現在では、日本の伝統文化・礼儀マナー教育(茶道や華道、書道、邦楽や和歌、礼法等の実技と理論)にも力を入れております。特に中高生にはこれら全ての教科を正課としていますが、女性が魅力に感じるこれらの充実した教育内容は、他に類を見ず、文部科学省をはじめ各方面からも高く評価されています。言うまでもなく日本文化の理解と実践は、人間性の涵養や人格の陶冶に不可欠であるとともに、さまざまな専門的な学びの基礎となります。
また、環境教育の一環として毎年実施している「光華エコアワード」は、在校生はじめ学園の全てのステークホルダーが、脱炭素社会実現に向けて今なにをすべきかを考える機会となっています。
さらに大学・短大では、近年の高齢社会を背景にした「健康・未来創造キャンパス」構想のもと、女性が輝く社会の実現に向けて、健康を多角的に捉えた、知識や技術を習得するための教育を実践し、そのさらなる充実に取り組んでおります。

話は変わりますが、昨今のウクライナや中東地域での戦争に見られるような、無辜の民の死や、崩壊した街の痛ましい惨状に、私たちはともすれば目を背けることすらなく、無関心になってしまっています。なぜ現代社会はこのような不毛な対立を許してしまうのでしょうか。そもそも不殺生や非暴力を尊重する社会でなければなりません。誰一人取り残さないインクルーシブな社会でなければなりません。本学園の建学の精神「真実心」は誰一人見捨てないという「摂取不捨」という言葉にも通じます。私たちは常に学生生徒等に真摯に向き合い寄り添い、心に響く女子教育の充実に取り組むとともに、今後とも社会から信頼され、社会に貢献する女子学園として、その存在価値のさらなる向上に努めてまいります。

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