光華女子学園
理事長 阿部 恵木
光華女子学園は、東本願寺の大谷智子裏方 (昭和天皇妃一香淳皇后一の妹君) が「仏教精神、特に親鸞聖人が明らかにされた浄土真宗の教えに基づく女子教育を京都の地で」と発願され設立された学園で、その願いは校名「光華」と校訓「真実心」に込められています。1940年の光華高等女学校開校以来80余年、多くの先人たちのご努力と有縁の皆さまの多大なるご支援により、幼稚園から小学校、中学校、高等学校、短期大学、大学、大学院までを有する総合学園として発展してまいりました。創設者の思いをしっかりと引き継ぎ、思いやりの心と心弾む明るい社会を創造できる力を兼ね備えた人材を育成することが私たちの使命であると考えております。
さて、これまで2年以上の長きにわたり新型コロナウイルスの猛威に悩まされてきましたが、このコロナ禍によって社会環境はこれまでの予見を超え大きく変わろうとしています。本学園では2020年に策定した光華ビジョン2030を基に、その具体化に向け大学を中心とした「健康と未来創造キャンパス構想」を進めていますが、コロナ禍で得た見知も新たに加え、より地域や近未来にフォーカスした計画にしたいと思っています。
「健康と未来創造キャンパス構想」とは、女性が輝く社会実現に向け、Society5.0時代に相応しい「人々の健康づくり」と「サービス、教育、環境、先端技術などを融合させた人に優しい未来創り」を、建学の精神を体現する思いやりの心を持った人材育成と本学園のアセット提供の両面から取り組む光華が核となる地域創成構想です。一例を紹介しますと、大学では、地域・在宅医療への需要がますます高まるなか、多職種連携に対応できる医療や福祉分野の専門職養成なら京都光華と言っていただけるよう、京都府や京都市と連携のもと専門職養成の職種と質をさらに拡充する計画を進めています。昨年には光華もの忘れ・フレイルクリニックを開院し、地域医療への貢献も始めました。さらに2025年大阪・関西万博の共創パートナーにも選定され、幼齢期・加齢期における①食のバリアフリー化に関する取り組み、②運動の習慣化を図るための取り組み、③認知症予防や知育教育などの健康習慣の形成に資する取り組みなど、創出・支援していきます。また高等学校においても、従来のコース体制を、医療貢献コース、未来創造コース、国際挑戦科という2コース1専門学科体制に大きく変え、大学と連携しながら、健康・未来創造の担い手の育成に努めてまいります。そして幼稚園、小学校、中学校では、一人一人の興味関心事を引き出し、それを社会の現実と連動させて学ぶ体験型学習や探究学習を多く取り入れた教育課程に変えてまいります。
こうした構想に合わせて教育環境の充実にも取り組んでまいります。2022年3月には小学校と中学2年生までが入る新校舎、ウレタン舗装のブルートラックと人工芝フィールドのオールウェザーグラウンドが竣工します。その後も、テニスコートの再整備や大学の新設学部学科設置に合わせた新棟の建設 (2024年3月竣工) も計画しており、これらの施設は積極的に地域開放を行い、地域の人々の健康促進、生涯学習の場としても役立てていただく予定です。
このように、本学園は創設者の建学の精神を大切にし、在校生をはじめ、同窓生や地域の皆さまにとって、そして私たち教職員にとって「ワクワク感漲る学園」となるよう、全力で取り組んでまいります。引き続き、皆さま方のご支援、ご協力を重ねてお願い申し上げます。