正業(しょうごう)八正道」
2006.01.18
「業」とはサンスクリット語の「カルマ」の訳語であり、インドの全宗教・哲学において、きわめて重要視されてきた概念です。「行為」そのものを指し、広くは心で思い、口に発し、身体で行うという、三つの領域を含みます。従来、「身(しん)・口(く)・意(い)の三業」と呼び習わされてきました。
「八正道(はっしょうどう)」の中では、ことに身業に関して単に「業」と捉えられ、身体的行為を正しくすることが「正業」と呼ばれます。それはまた、仏陀が説かれた世俗の人々の守るべき十の戒め(十善戒)の中、殺生を行うなかれ(不殺生)、盗むなかれ(不偸盗)、男女の道を乱すなかれ(不邪淫)という三つの徳目を実践することを意味します。身体的行為のなかで、これら三つが人間を苦に誘う最大の要因と考えられたからです。
新年を迎え、身を慎むことの大切さを、改めて胸に刻みたいものです。(太)