2019年度「太子忌」が行われました
2020.02.23
こんにちは。
2月21日(金)、浄土真宗大谷派宗門関係校である光華女子学園では
「学園 太子忌(たいしき)」が行われました。
毎年、2月22日にお亡くなりになった聖徳太子のご命日にご遺徳を偲び、
太子が日本にお広めになった仏教の教えを聞思しております。
式には各校園の学生・生徒・児童・園児と教職員が参加し、
法要および幼稚園から大学までの各代表焼香が行われた後、
本学園真宗文化研究所長の小澤千晶氏の法話を聴講しました。
講師は、聖徳太子の制定した「憲法17条」の第10条にあることを主題にお話しされました。
「人は皆凡夫であるということ。(第10条)」
「自分の思うことを他人に押し付けてしまってはいないだろうか。
自分の基準で他人を量り、他人を傷つけてはいないだろうか。
様々な人と生きていくためには、誰のことも受け入れられるよう分別を手放していこう。
他人と折り合えないときは、自分のことを振り返ることを意識しよう。」と、
凡夫の自覚に立って、自己の基準やこだわりを手放す考え方について説明されました。
また「凡夫であることの自覚を持つことは大事なことですよ。
大事なのは、
切り替えができないときに、なぜできないかを自分に問いかけること」と結ばれました。
自分の中のものさしとは何か。
自分の基準が絶対の価値と思い、自分をも許せなくなってはいないだろうか。
他人とうまくいかないときは、自分の中のものさしを解放しようと思いました。
(企画財務部職員A)
2019年度「涅槃会」を開催しました
2020.02.17
こんにちは。
2月14日(金)、浄土真宗大谷派宗門関係校である光華女子学園では「涅槃会(ねはんえ)」が行われました。
涅槃会とは、
お釈迦様がお亡くなりになった日(2月15日)にお釈迦様を追悼する法要のことで、学園宗教行事のひとつです。
当日は京都光華中学校1年生と教職員が参列し、
本学園理事長・学園宗教部長の阿部恵木氏から法話をいただきました。
法話では、仲間の強弱を認識するサルと
序列を作らず和解するゴリラやチンパンジーの習性の違いを例に、
「自分の姿に気づくことが大事なのですよ」と説かれました。
サルは食べ物を前に、群れの中で強いサルが弱いサルを敵対する習性、
ゴリラやチンパンジーは、食べ物を強い者が弱い者に譲る習性があります。
これは、ゴリラなどの人間に近い類人猿が集団で居やすくするためには
他者との協力や和解を重んじているからだと言われています。
講師は
「進化してきた人間ではありますが、
現代社会に生きる私たち人間は、
ともすれば自分の利益を中心に行動してしまっているかもしれません。
学校、職場、地域、家族の中で自分の姿はどうでしょうか。」と問いかけられました。
仏様の願いは、
人間だけではない「一切の生きとし生けるものは幸せであれ」というものです。
幸せになる道、仏様の願い(慈悲)に応える生き方は、
「八正道」(*1)の実践で得られる両極端に偏らない「中道」(*2)の境地にあると説かれています。
仏教行事をとおして、自己を省みる日になりました。
「光華((「こ」向上心)、(「う」潤いの心)、(「か」感謝の心))の心」を持ち、正しい行いのもといつもバランスのとれた生き方を目指したいです。
*1「八正道」とは、悟りの境地に達するための正しい8つの行動のこと:
「正見」、「正思」、「正語」、「正業」、「正命」、「正精進」、「正念」、「正定」
*2「中道」とは、両極端に偏らない中間の道のこと
(企画財務部職員A)
鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ(坂村真民)
2020.02.03
鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ
我が家の居間に掛けられていた一幅の詩。物心のついた私は不思議さを憶えたものです。
鳥は飛び、人は生きる。
この極めて当たり前のことが、改まって書かれていることにも・・・。
この詩が、作者の荒ぶる強い筆圧によって書かれていることにも・・・。
しかし、齢を重ねるにつれ、私には、「ねばならぬ」と書かれたこの部分が心に染み、響いてくるようになってきたのです。
私たちは奇跡に近い確率でこの生を頂き、その授かった命を全うする中で、喜怒哀楽を繰り返します。
時には喜び、時には哀しみ、困難に直面し、乗り越えねばなりません。
大いなる力に支えられ、身近な方々に助けられ、人は生きていきます。
「人は生きねばならぬ」
それは、義務や使命からくるものだけではないでしょう。むしろ、感謝や御恩がそうさせるのではないでしょうか。
様々な支えや助けによって生かされてきたからこそ自分は生きねばならないと思えてくるのです。
さらには、単に生きるのでなく、「豊かに」生きねばならないのだと思われます。
そう思える人生を、御同朋・御同行として俱に歩みたいものです。それが浄土真宗の精神に通底するものではないでしょうか。
さて、この詩は、次のように続きます。
怒涛の海を
飛びゆく鳥のように
混沌の世を
生きねばならぬ
鳥は本能的に
暗黒を突破すれば
光明の島に着くことを知っている
そのように人も
一寸先は闇ではなく
光であることを知らねばならぬ
新しい年を迎えた日の朝
わたしに与えられた命題
鳥は飛ばねばならぬ
人は生きねばならぬ
「一寸先は闇ではなく 光である」
そんな強い心をもった生き方を
御縁のある皆さんと倶にできればとお念じ申し上げます。
(宗教部)