All posts by kokagakuen

2020年度「学園報恩講」を行いました

2020.11.17

11月6日(金)、本学園、光風館講堂において学園報恩講を厳修しました。

この取り組みは、宗祖親鸞聖人のご命日をご縁に、聖人の恩徳を感謝するとともに、聖人の御教えを改めて聞思する機会として、毎年行っております。

親鸞聖人によって開顕せられた浄土真宗の教えを建学の精神とする真宗大谷派関係校である本学園において、最も大切にしている宗教行事です。

親鸞聖人のご命日は11月28日ですが、その日は本山東本願寺で勤められている本山報恩講のご満座(最終日)にあたるため、本学園では、阿部恵水初代中学・高等学校校長のご命日である11月7日に繰り上げて執り行っています。今年は、7日が土曜日にあたるため、1日早めて11月6日に行いました。

また、お亡くなりになられた本学園の卒業生や教職員等、有縁の方々への追悼、法要も併せて執り行いました。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から学内関係者のみで執り行い、各校園から、園児・児童・生徒・学生、教職員が参列し、園児から大学生までの代表による献灯、献花、焼香が厳かに行われました。

その後、大間実氏(東大谷高等学校教諭、本校非常勤講師)による法話では、「命」そのものは人間、動物、植物共に平等で尊い命だということ、また、私の中にある愚かさを知り、自分をごまかさず、誠実に生きていくことが大切であるとお話しいただきました。



京都大学名誉教授・労働衛生コンサルタント 川村 孝先生より、 本学園の新型コロナウイルス感染症対策の外部評価をしていただきました

2020.11.16

11/16(月)、京都大学名誉教授・労働衛生コンサルタント 川村 孝先生より、本学園の新型コロナウイルス感染症対策について、評価をいただきました。

本学園では、新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、2020年1月以降、マスク着用や手指消毒の徹底をはじめ、こまめな換気・3密の回避など、さまざまな対策を行ってきたところではありますが、その対策について、今回、専門家である川村 孝先生より、その安全性や適切性などの書類調査・実地調査を実施していただきました。

当日は、本学園の各施設(幼稚園、小学校、中学校・高等学校、大学・短期大学部・大学院、学生寮)や授業、本学が運営しているNPO法人等の感染症対策をご覧いただき、川村先生からは、「全体として的を外しているような対策は無く、しっかりと対策ができている。また、完全に感染を防ぐ方法はないので、全体として感染リスクを下げることを目標とし、容易に実施できる感染対策を組み合わせて実施する。感染対策がもたらす便益とリスクを比較考量して採否を決定する必要がある」とのコメントをいただきました。また、寒い時期を迎えるうえで、換気の感染症対策に対する有効性についてもご教授いただき、改めて換気の大切さを学ぶことができました。

本学園は引き続き、川村先生よりご指導いただいた内容を踏まえ、学生等や教職員の感染拡大防止策を最大限に講じてまいります。

光華女子学園 富小路まちやキャンパスの開所記念式典を執り行いました

2020.11.06

10月30日(金)、光華女子学園は、京都市の中心部である富小路御池に、「富小路まちやキャンパス」*を開所することとなり、これを記念し開所式典を執り行いました。
本町家は、本学の大学・大学院から幼稚園までの学生・生徒等が京都の歴史・文化・産業等を体験的に学ぶことができる教育の場として活用するとともに、地域連携型の教育推進事業によって、地域企業・団体、地域住民の皆さまに開放し、ご利用いただける施設として展開していくものです。
*「富小路まちやキャンパス」は、明治時代に建てられ、築年数100年以上の京町家です。

式典には、レジリエント・シティ京都市統括監藤田裕之様、京都市総合企画局総合政策室大学政策部長塩野谷和寛様、松下町会長山口るり子様、他多数の方々にご出席いただきました。

式典は、キャリア形成学科3年生の牧野佑香さんの司会により進められ、光華女子学園理事長ならびに京都光華女子大学・短期大学部学長の挨拶では、光華ビジョン2030に掲げるワクワク感漲る学園づくりのための新たな拠点として、京都らしさのあるキャンパスが設けられたことに対する感謝の言葉が述べられました。
ご来賓のレジリエント・シティ京都市統括監藤田裕之様からは、「毎年800件の京町家がなくなっていく中、学生が学ぶ場として、価値のある使い方をされることに敬意を表したい」とのご祝辞をいただきました。

続いて、京町家の入口屋外で、ご来賓、本学関係者によるテープカットおよびキャンパス名の披露が行われました。



そのあと、京都市在住の落語家桂文也氏による落語「はてなの茶碗」をご公演いただきました。

今後、「富小路まちやキャンパス」は本学園の学生・生徒・児童・園児が京都の息づかいを感じながら、ワクワクした体験ができる学びの拠点を目指してまいります。

最後に、式典にご参加いただきました皆さま、ならびにお祝いを頂戴しました皆さまに、あらためてお礼申し上げます。ありがとうございました。

共創力

2020.11.02

 共創という言葉は、2004年に、ミシガン大学ビジネススクール教授、C.K.プラハラード氏とベンカト・ラマスワミ氏が共著The Future of Competition: Co-Creating Unique Value With Customers(邦訳:『価値共創の未来へ―顧客と企業のCo-Creation』)で提起した概念といわれています。企業がさまざまなステークホルダーと協働して共に新たな価値を創造する概念”Co-Creation”の日本語訳であります。昨今、ビジネスの場でよく用いられ、経営方針に掲げる企業もありますが、「多くの人が協働し、新たな価値を創造すること」はビジネスの場だけでなく、私たちの日常生活にとっても非常に大切なことなのではないでしょうか。

 「多くの人が協働し、新たな価値を創造する」ためには、その根底に「他者との違いを認めること」が必要です。しかし、現代の社会では、様々な情報が行き交い便利になった反面、その多くの情報が錯綜し、他者に排他的になってしまう面、また、多くの情報の中で「自身がその中で何を選び取るべきか、どうあるべきなのか」を迷い、自身の可能性に気づけないままに周囲に合わせてしまう傾向も否めません。真の「共創」は、自分自身の可能性や価値を自覚し、そして他者の可能性や価値も同様に認めた先に存在するものであると思います。

 親鸞聖人が門弟に送られた手紙(御消息)に「とも同朋にもねんごろにこころのおはしましあはばこそ」という一文があります。念仏に生きる者は、他者に信頼と尊敬の念をもって「御同朋、御同行」として敬愛しあって生きていくことができると示されています。この「念仏に生きる者」を、仏教徒に限ることなく、生きとし生けるもの全ては平等という認識に立てる人としてもいいかもしれません。私たちは自我(自分が正しいと思う心)を捨てきれず日々を過ごしています。なによりも、その執着し続ける自分という存在、つまり、どうしようもない自分に気づき、その自分を認めて生きていくことが、生きとし生けるもの全てが平等だと理解する心となり、他者を受け入れ、協働するための心だと、御消息から学ぶことができます。

 現在、世界では多様化・グローバル化が加速しており、我が国においても文化・価値観の異なる方々との「共生」はその重要度が高まっています。また、昨今の新型コロナウイルスの対応をめぐっても、多くの意見が飛び交い混乱を極め、私たちの日常は目まぐるしく変化をしています。このような苦境であるからこそ、他者との違いを受け入れ、認め、共に答えを導くことが大切です。それらの繰り返しによって「共創力」が高まり、新たな価値が生まれ、皆が心豊かに生きることができる社会の実現が叶うのであると信じています。(宗教部)

自分を苦しめず、人を傷つけない言葉のみを語りなさい。 『テーラガーター』1227偈

2020.10.01

 ヴァンギーサ(婆耆舎)というブッダの弟子がいました。彼は吟遊詩人として遍歴の旅の途中でブッダに出会い出家したとされています。経典には、ヴァンギーサがブッダの教えを自分なりにまとめて詠った詩がいくつか残されています。今月取り上げたのは、ブッダが「よい言葉」とはどのようなものかを説いたのを受けて、ヴァンギーサが詩にして詠った箇所です。

 

 1年生の授業で日常の中で違和感を覚えていることをあげてもらうことがありました。課題の意図は、自分が生活の中で感じている違和感をごまかすことなく、それについて調べ考えていくことで、世界を少しよいものに変えていくことができ、そのための基礎力を身につけるのが大学の学びであることを知ってもらうことでした。そうして上がってきた「違和感」の多くは「誹謗中傷」でした。SNSが身近な学生たちにとって、ネットの中で繰り広げられる「誹謗中傷」は、彼女たちを臆病にさせるほどリアルなものなのでしょう。
 コロナ禍の出口が見えない今の状況は、一層不安を掻き立て、人と人との関係を過敏にさせていきそうです。わたしたちは不安ゆえに、互いに傷つけ合うしかないのでしょうか。

 

 ヴァンギーサはブッダの教える「よい言葉」を、言葉を発する自分と受け取る相手の双方の視点から語ります。互いに苦しむことなく、傷つけない言葉を語るには、自分が相手に伝えようとしていることを一度振りかえる必要があります。相手にどう受け取られるか、相手の立場にもならないといけない。つまり、「良い言葉」は、感情のままに発せられるものでもなく、相手を通じて自分の内面を見つめる時間を必要とします。
後に阿羅漢(修行段階の最上位)に到達したヴァンギーサも、出家直後は、女性の姿を見て欲情したり、師匠がいないときに気持ちがフワフワしたり、あるいは、詩人で口が達者だったのでしょう、口数の少ない僧侶をバカにする気持ちが生じたようです。しかし、その都度、自分の感情の揺れ動きに気づき、ブッダの教えた心のあり方を振り返りそれを詩にして自らに語りかけることで乗り越えていきました。
 いま時代は大きく動いています。もう元に戻らないこともあるでしょう。この状況に対応するために、そしてそのための技術に追いつくことに精一杯になってしまう毎日ですが、だからこそわたしたちは共にある人を通して、自分自身の内面を見つめる余裕を持つよう意識しなければならないのでしょう。(宗教部)

中村元『仏弟子の告白』223頁/中村元『ブッダのことば』92頁/片山一良『相応部』2巻、280頁

令和2年度 学園長賞表彰式を行いました

2020.09.25

9月25日(金)、令和2年度 学園長賞表彰式を行いました。
学園長賞は、本学園の在学生で、学業・文化・スポーツ等において特に優秀な成績を修められた方や、ボランティア活動等で地域に貢献などをされた方を表彰する制度です。
今回は、個人で6名、団体で1団体が表彰され、学園長から表彰状と記念品が贈られました。
学園長からは受賞者一人一人にあたたかい言葉が贈られ、また、受賞者からは今後に向けた力強い宣誓がありました。入賞者の皆さんのますますのご活躍を期待いたします。

「 念仏者は 無碍の一道なり 」 『歎異抄』

2020.09.01

 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって、かけがえのないすべてのいのちが脅かされて不安な日々が長く続いています。この新型ウイルス禍は、私たちの生活を大きく一変させて、社会、経済、教育、文化、芸術、思想に至るまで深刻な影響を与え続けています。あたりまえにあったものが脆くも崩れていくような怖さと不安を日毎に強く感じます。社会的距離を保つことは大切ですが、心の距離までもが離れていかないか心配です。私たちは、これから如何に新しく生まれ変わることができるのか、正に今、その岐路に立たされているように思います。

 
 この言葉は『歎異抄』の「第七条」にある言葉です。「念仏する人は、何ものにもさまたげられることのない、何ものにも怖れることのないひとすじの大道を歩むものです。」と宗祖親鸞聖人が述懐なされたと記されています。親鸞聖人の信念の核心をもっとも力強くあらわされた言葉だと言えます。親鸞聖人においては二十九歳の時、よきひと(師)である法然上人と感動に満ちた決定的な出遇い(念仏の教えとの出遇い)をされて、「念仏もうさんとおもいたつこころ」が発起され、真に念仏する身となり「無碍の一道」に立って力強く人生を生き抜かれました。

 
 それでは、親鸞聖人の境遇においてさまたげになるようなことはなかったのでしょうか。
決してそうではありません。正に逆境と言える流罪、長男との義絶、戦乱、飢饉、火災、疫病など困難な出来事が繰り返し起こりました。人が生きていくには極めて過酷な状況(さまたげ)の連続であったと言える苦難の生涯に対して確信をもって「無碍の一道」と断言されて貫いていかれました。

 
 親鸞聖人は、念仏のはたらきについて、主著『教行信証』「行巻」において「功徳の極まりである念仏は、静かな風のようであり、絶え間ない波のごとく繰り返し起こる困難な出来事を転じていく」と述懐されています。困難で苦しい出来事が起こったときには、そこから逃避したり忘れようとするのではなく、現実のすべてをあるがままに真っすぐに受け止めて、真実の教えとはたらきを拠り所として本質的な苦しみの原因をしっかりと見つめて、自分自身で解決しなければならないことを教えられます。

 
 念仏者である親鸞聖人は、波のごとく起こる無数の困難を真実の教えに出遇い念仏のはたらきによって、自分にあたえられた仏縁としてあるがままを受け止められて、そのすべてが生きるためのこころの糧として転じていかれました。それゆえにその困難がさまたげになることなく、行く手を遮られることなく確かなひとすじの道として着実に歩んでいかれたのだと思います。
 
 今、私たちが直面している困難があります。その困難を如何に転じて乗り越えていくのか、その進むべき確かな道を親鸞聖人の歩まれた「無碍の一道」から見出していけるのではないでしょうか。(宗)

新型コロナウイルス感染者の発生について(第4報)

2020.08.21

2020年8月20日(木)、本学学生1名(10代・女性・京都府在住)が、PCR検査の結果、新型コロナウイルス感染症の陽性と判明いたしました。

*この度、陽性と判定されました学生の一刻も早い回復を願っております。
*感染した学生、ご家族様および関係者の人権尊重と個人情報保護にご理解とご配慮をお願い申し上げます。
*上記学生は、2020年7月25日以降大学には登校しておらず、キャンパス内における接触はありません。

本学は、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために必要な対策を講じ、感染拡大防止などに努めております。先日、注意喚起9報をだし、学生・教職員に注意を呼びかけたところではありますが、今後も引き続き、一人ひとりが感染しない、感染させない行動を徹底するよう、より一層啓発に努め対策等を講じて参ります。

現在、本学では原則オンライン授業としながら、「京都光華女子大学 再開ガイドライン」により感染拡大に最大限注意しながら特例として対面による演習・実習などの授業を行っておりますが、これについては変更ありません。

京都光華女子大学

【本件に関するお問い合わせ】
報道関係者の方:広報担当  075-325-5493
上記以外の方 :学園運営部 075-325-5206

新型コロナウイルス感染者の発生について(第3報)

2020.08.11

2020年8月10日(月)、第1報でお伝えした学生の濃厚接触者である学生1名について、PCR検査の結果、新型コロナウイルス感染症の陰性と判定されました。これにより、第1報の感染者にかかわる濃厚接触者のPCR検査結果は全て判明いたしました。

京都光華女子大学

【本件に関するお問い合わせ】
報道関係者の方:広報担当  075-325-5493
上記以外の方 :学園運営部 075-325-5206

新型コロナウイルス感染者の発生について(第2報)

2020.08.07

2020年8月7日(金)、本学学生1名(20代・女性・京都府在住)が、PCR検査の結果、新型コロナウイルス感染症の陽性と判明いたしました。

*この度、陽性と判定されました学生の一刻も早い回復を願っております。
*感染した学生、ご家族様および関係者の人権尊重と個人情報保護にご理解とご配慮をお願い申し上げます。
*2020年7月1日以降大学には登校しておらず、キャンパス内の接触はありません。

本学は、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために必要な対策を講じ、感染拡大防止などに努めております。これまでも注意喚起8報をだして、学生・教職員に注意を呼びかけてきたところではありますが、今後も引き続き、一人ひとりが感染しない、感染させない行動を徹底するよう、より一層啓発に努め対策等を講じて参ります。

現在、本学では原則オンライン授業としながら、「京都光華女子大学 再開ガイドライン」により感染拡大に最大限注意しながら特例として対面による演習・実習などの授業を行っておりますが、これについては変更ありません。

京都光華女子大学

【本件に関するお問い合わせ】
報道関係者の方:広報担当  075-325-5493
上記以外の方 :学園運営部 075-325-5206