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防災訓練を実施しました

2023.08.29

8月28日(月)、教職員を対象に防災訓練を実施しました。

 

防災訓練は毎年実施しており、大きな地震や火事が発生した際、キャンパスにいる学生生徒等を安全に避難誘導し、被害を最小限に抑えることを目的としています。

 

当日は、震度7の地震および火災が発生したことを想定した避難訓練を行い、その後は右京消防署職員の方による消火訓練、救護活動訓練、防災・消防設備の専門業者による避難器具体験を行いました。

 

教職員一人一人が防災訓練を通して学んだことを日頃から意識し、有事の際に適切な判断・行動ができるようにしてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

2023.08.28

 今回書かせていただくのは、生老病死である四苦の1つである「生」についてです。

 

 親鸞聖人は、四苦について『教行信証』の中に「豪貴富楽自在なることありといえども、ことごとく生老病死を勉るることを得ず。」と『安楽集』より引用している。どれだけの権力や財力を持ったとしても、その立場や生き方に関わらず、私たちの誰もが決して避けることのできないものであることということです。

 

 この生老病死の中で、老と病と死に対する苦のイメージは掴みやすいと思いますが、生に対しての苦のイメージは、なかなか考えることがないかもしれないですね。生まれた時から苦しみが始まっていると考える時は、なにかのきっかけが必要なのだと思います。

 生まれることが苦しみでるということだが、生まれてから楽しいこと、嬉しいこと、幸せなこと、それらが存在しないと言っているわけではありません。

ただ、それらの楽しいこと、嬉しいこと、幸せなことはいつまでも続くわけではなく、さらにそれらポジティブな感情が大きければ大きいほどネガティブな感情、つまり苦しみを生み出すのです。

 

 そんな生老病死という避けられない苦しみを乗り越えるために、仏教は教えを説いています。

そんな四苦から改めて仏教に触れてみてはいかがでしょうか。(宗)

「学園報 vol.59」の誤りに係るお詫びと訂正について

2023.07.27

平素は本学運営に多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、今般、作成・発行いたしました学校法人光華女子学園「学園報 vol.59」において、保護者会役員の方のお名前の字に誤りがありました。
関係各位に多大なご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げますとともに、今後はこのような誤りがないよう十分に注意してまいります。

 

●p12 あけぼの会 役員名簿

【誤】
副会長 長川 律子 様
会 計 湊 智巳  様

 

【正】
副会長 中川 律子 様
会 計 湊 知巳  様

 

改めてお詫び申し上げますとともに、今後とも本学運営にご理解・ご協力賜りますようよろしくお願いし申し上げます。

和順館

2023.07.14

 今月はことばではなく、小学校と中学校の校舎として2022年3月に竣工した「和順館」の名称についてお話をしたいと思います。

 

 無量寿経の三毒五悪段の後半部分に「天下和順し日月清明(にちがつしょうみょう)にして、風雨時をもってし災厲(さいれい)起こらず。国豊かに民安し。兵戈(ひょうが)用いることなし。徳を崇め(あがめ)仁(にん)を興し、務礼譲(まつりごとらいじょう)を修す。」という一説があります。この五悪段は初期の経典にはなく、後に中国で加筆されたのではないかと言われておりますが、和訳は、仏が遊行するところは「天下はおだやかに治まり、日月の光はさやけく、風雨はほどよいときに訪れ、天災や疫病も起こらず、国は豊かに民は安らけく、兵器を用いることもなく、徳を尊び仁を盛んにし、礼儀に厚く人に護るという心をつとめて養うようになった」(中公文庫(山口益訳))ということです。

 

 天下和順は多くの人々の願いであり、実際にそうなれば素晴らしいことだと思います。しかし、私たちの願いである天下和順を、私たちが自らの力で実現することができるのでしょうか。誰しもが和順を願う一方、無明の闇(むみょうのあん)に包まれる私たちは自らの「我」の中にある和順に捉われ、その和順に反することを他者の責任、社会の責任、時代の責任とし、時に排除しようとし、時に妬み嫉み、時にあきらめるなどしてしまいます。

 

 現代に至るまで世界中でさまざまな紛争が起き、その都度それを教訓にいかに防ぐかという人間の知恵が積み上げられてきました。その結果、グローバル化が著しく進み、大きく進歩したかに見えるこの21世紀において、まさか今回のロシアによるウクライナ侵攻が現実に起こるなど多くの方が思わなかったのではないでしょうか。縁が満ちれば私たちの誰しもがロシアになってしまうという現実を、改めて気づかされた次第です。自分のことしか見えていない私たち。我に捉われ、縁が満ちれば善にも悪にもなってしまう存在の私たち。願っても願っても、自らの知恵では和順足りえない私たち。こうした無明の闇のなかにいる私たちの姿に気づくことができれば、一歩を踏み出す前に踏みとどまり、さまざまな争いを回避し、和への一歩へと歩みを変えることができるかもしれません。

 

 蓮如上人御一代記聞書に「信をえたらば、同行にあらく物も申すまじきなり、心和らぐべきなり。・・・また信なければ、我になりて詞もあらく、諍ひもかならず出でくるものなり・・・」という言葉があります。信を得る、すなわち凡夫であることの自覚が和への第一歩です。そしてこの信は、仏の本願の光を受け、仏のはたらきに頷くことによってはじめて得ることができるのです。

 

 2022年3月、小学校と中学校の児童、生徒が学ぶ新校舎が竣工しました。隣にあるのは仏さまの本願の働きを意味する「光」を冠する光風館という建物です。先ほども触れたとおり、今この瞬間にもロシアによるウクライナ侵攻という世界を震撼させる事態が続いています。この新校舎で学ぶ未来ある子どもたちが、仏さまの光に触れることで無明の闇を破り、自らを見つめ、一人ひとりが本当に大切なことに気づかれることを願っております。子どもたちが同朋としての歩みを踏みだし和らぎのある生活を過ごされることを、そして子どもたちが創る世界が「和」のある世界となることを念じ、校舎名を「和順館」といたしました。(宗)

紫陽花や きのふの誠 けふの嘘           正岡 子規

2023.06.01

「紫陽花や きのふの誠 けふの嘘」

 

正岡子規の俳句です。
紫陽花には、同じ株の花が、薄紅色から上品な青や紫に変化していくものがあります。

 

その変化ゆえか、紫陽花の花ことばは「無常」です。

 

昨日はまこと(真実)だと思っていたことが、今日はうそ(偽り)になってしまう。
人の心の移ろいやすさやはかなさを、子規は紫陽花に託したものだと思われます。

 

確かに、私たちは日々の暮らしの中で、昨日まで信じていたものに、今日突然裏切られたり、昨日まで大丈夫だと思っていたことが、今日は呆気なく崩れ落ちたりするような経験をすることがあります。

 

私たちは、生老病死の営みをとおして、生まれては消え、来ては去って行くことやものに狼狽し、苦悩する存在です。他との関係や比較という相対に左右される存在なのです。

 

この世はまさしく「きのふの誠 けふの嘘」、
「諸行無常」そのものです。

 

しかし、近代真宗教学の先駆者、清沢満之師は、生きることにおいて、「絶対他力の大道」という思想を貫かれました。絶対的に揺らぐことのない阿弥陀如来の本願力の道を迷わず歩むことの尊さや大切さを説かれました。
そこには自由と安らぎの境地が開かれます。
その境地に生かされ、希望と感謝をもって、人生を確かに歩んでいくのだぞと、師から呼びかけられているように思われます。(宗)

女性であるということが何だというのだ

2023.05.09

 初期仏教経典の『サンユッタニカーヤ(相応部)』に収録されている『比丘尼相応』「ソーマー経」のお話です。禅定中の女性出家者であるソーマーに、マーラ(悪魔)が近づき、女性は知恵が少なく、努力しても覚りを得ることはできないと蔑み、修行の邪魔をしようとします。ソーマーは、そのマーラ(悪魔)に対して、「心がよく安定し、知恵が現に起こっているとき、法を正しく観察する者にとって、<女性である>ということが何だというのだ」と反論します。その上で、「私は女性である」あるいは「男性である」と、また何かしらのものを「私である」とこだわっている者に対して、そのように語りかけなさいと言って、マーラ(悪魔)を退けます。このように仏教は、当初から教義として、女性の出家、覚りの獲得を肯定しています。心を落ち着け、知恵をもって、正しくものごとを考察していくことが重要であり、そこで男女の性差は問題にならないのです。

 

 大乗経典になると、私たちの性別も存在しないという教えが示されます。例えば『維摩経』では、男性であることにこだわるシャーリプトラに対し、天女が神変をもちいて、彼を女性に変化させた上で、「あらゆる存在は女でもなく男でもない」と仏陀はお説きになったはずだと諭します。水に写った月のように、あらゆるものは無我であり、固有の性質はないのだということです。そのような大乗思想によれば、男であるから、女であるから、あるいはそれ以外であるからと囚われ、こだわること自体が、私たちの分別だということになります。

 

 一方、男尊女卑の社会・文化の影響を受け、仏教の典籍には、さまざまな女性差別表現、差別思想が存在するというのも事実です。有名なものとしては、女性は、梵天王・帝釈・魔王・転輪聖王・仏陀にはなれないとする「女人五障」の教えや、女性は男性に変身してから成仏すると説く「変成男子」の思想があります。そのような思想から、仏教は男性性を肯定し、女性性を否定する宗教であると批判されることもあります。

 

 仏典に性差別的な表現があることに疑問を感じることもあるでしょう。しかし、そこで、そのような差別的表現をあげつらうことに終始するのではなく、立ち止まって考え、自らの中にもある差別的な分別、無意識のうちに刷り込まれたジェンダーバイアスに気づいていくということが大切なのではないでしょうか。

 

 知らず知らずのうちに今の社会の価値観に影響を受け、それを当たり前と思って、自らの可能性を狭めてしまわないためにも、多様な角度から考察する思考力が必要です。ソーマーのように、心を落ち着け、知恵によって正しくものごとを知り、社会の真実を見つめ歩んでいきたいものです。(宗)

2023年度「学園花まつり」を開催しました

2023.05.02

4月20日(木)、本学園において幼稚園から大学、大学院までの全設置校の各校園が一堂に会する「学園花まつり」を行いました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため2020年度は中止、2021・2022年度は縮小しての開催でしたが、今回は4年ぶりに全在校生が参加し、大々的に開催しました。

 

 

この行事は、仏教をお開きになったお釈迦さまの誕生日を祝う会であり、またお釈迦さまが深く問われた、「人生をいかに生きていくか」、「本当に歩むべき道は何か」について園児・児童・生徒・学生はもとより教職員・保護者を含め、全員が改めて考える機会として、本学園の創立当時から続けている大切な行事です。

 

 

小学生マーチングバンドや中高バトントワリング部によるパレード、小学生が引く白象の行進、中高吹奏楽部・軽音楽部・聖歌隊による讃歌を取り入れ、華々しい雰囲気で法要が行われました。

 

 

 

当日は、南御堂(真宗大谷派難波別院)の公式キャラクターであるブットンくんが登場し、みんなでお釈迦様のお誕生をお祝いしましょう!と呼びかけました。また、学園花まつりの後、光華幼稚園に登場したブットンくんに園児たちは大喜びの様子でした。

 

 

真宗大谷派僧侶でアナウンサーの川村妙慶先生の法話では、我々が立っている地球はとても大きいように思えるが、太陽はより大きくて地球の109倍もある。さらに太陽よりも大きな惑星があり、そんなことを考えると人間がいかに小さく、一人で生きていけない存在なのか気づくことができると話されました。そして、周りの人で、苦手な人や嫌いな人がいるかもしれないが、みんなで手を取り合って生きていきましょうと呼びかけられました。

 

 

学園花まつりの最後には、本学の職員が作詞作曲を担当したオリジナルソング「Well-Beingな未来(あした)へ」が披露されました。この曲は今年3 月に放映された京都光華女子大学/短期大学部のテレビCMにも使用されており、「人とのつながり」や「心のつながり」そして健やかな未来を想う曲となっています。

 

 

当日の様子は、保護者や一般の方へ向けてYouTubeにてライブ配信を行いました。また、各校園の玄関にお釈迦さまの誕生仏をおまつりし、在校生が自由に甘茶を灌仏できるようにして、学園全体でお釈迦さまのご誕生をお祝いいたしました。

 

 

「学園花まつり」を開催します

2023.04.14

4月20日(木)、本学園にて「学園花まつり」を開催いたします。

 

学園花まつりは、仏教をお開きになったお釈迦様の誕生をお祝いする日で、「釈尊降誕会」といいます。お釈迦様の誕生は4月8日ですが、本学園では4月中旬に園児・児童・生徒・学生・教職員が一堂に会してお祝いします。

 

当日の様子はオンライン配信する予定です。是非ご視聴ください。

 

学園花まつり

日 程:4月20日(木)

時 間:11:00~12:00

配信URL:https://youtube.com/live/85AmgYOAt6Q?feature=share

視聴方法:配信時間になりましたら、お手持ちのPC、タブレット、スマートフォンなどで上記の配信用URLへアクセスしてください。なお、無断での録画・転載は固くお断りいたします。

 

※本学宗教行事となりますので、一般の方につきましてはオンライン配信でご視聴ください。

よろこびてほめたてまつるべしとなり  〜慶讃ということ〜

2023.04.13

 真宗本廟(東本願寺)では、50年に一度の法要、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要が勤められている。全国津々浦々、ご門徒の方々がご本山に足を運び、参拝する。

 

 いち参拝者として阿弥陀堂に身を置き、数千人のご門徒と共に合掌すると時代を貫いた本願念仏の教えの不思議を感じる。その時代その時代の人々が大切だと受け止められた教えが受け継がれ、現在のこの私にまで届けられている。静まり返ったお堂の中で、私にとっての慶讃法要とは何か。御誕生や立教開宗を慶び讃えるということはどういうことかということ問われている。

 

 今月の言葉「よろこびてほめたてまつるべしとなり」は、親鸞聖人が『正像末和讃』の中に「慶讃」のもととなる言葉、「慶喜奉讃」という言葉の意味について述べられたものである。池田勇諦先生はご法話の中で「慶讃」について次のように受け取られている。

 

 『慶』は恩徳に、教えに遇わせていただくことができた慶び。『讃』はそれを伝える責任。それが、慶讃という言葉に込められた願いである。

 

 仏の恩を知り、念仏を通して私にかけられた願いに自らうなずいて生きてるのかを確かめさせられ、同時に生まれたことを喜び、今、責任をもって次の世代の人と共にお念仏の教えを伝えることができているのかを改めて考えさせられる。「慶讃」という二文字に込められた願い、そんな本当の願いに気づかずに日々、振り回されている自分ではあるが、この法要を通して立ち止まって聴聞していく「場」を与えられたことはが有難い。(宗)

真宗大谷派(東本願寺)の慶讃法要でブースを出展しています!

2023.04.05

現在、真宗大谷派(東本願寺)では宗祖親鸞聖人の御誕生八百五十年・立教開宗八百年の慶讃法要が行われています。この法要は文字通り、宗祖親鸞聖人の御誕生と浄土真宗の立教開宗を記念する法要で期間中は全国から多くの方が参拝に訪れられています。

 

そして本学園では記念すべきこの法要をさらに盛り上げるべく、東本願寺の境内の一角に「はなやぎキャンパスin東本願寺」と題し、ブースを出展しています。ブース内では、本学園の取組みや宗教教育等を紹介するパネルを常設展示し、ワークショップ等の体験型イベントも随時実施しております。また、ブースに設置している看板は本学園に在籍している園児、児童、生徒、学生、そして教職員が協働の手形アートで制作したもので、「多様な他者と共に生きる未来を創造できる人間となってほしい」という願いを学園が一丸となって表現いたしました。

 

法要期間内に真宗大谷派(東本願寺)にお越しになられた際はぜひお立ち寄りください!
みなさまにお会いできることを楽しみにしています。

 

■宗祖親鸞聖人の御誕生八百五十年・立教開宗八百年 慶讃法要
・場所:東本願寺(真宗本廟)
・法要期間
第1法要 2023年3月25日(土)~4月8日(土)
第2法要 2023年4月15日(土)~4月29日(土)
讃仰期間 2023年4月9日(日)~4月14日(金)

 

※本学園のブースは第1・2法要期間内で出展しています。
※ブース内でのイベントスケジュールはこちらをご確認ください。