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京都市が発行する「グリーンボンド」への投資について

2022.12.12

学校法人光華女子学園は、京都市が発行する「グリーンボンド」への投資を実施しました。
「グリーンボンド」とは、環境改善効果を有するプロジェクトに充当先を限定した資金調達のために発行される債券です。本債券は、国際資本市場協会(International Capital Market Association: ICMA)が定義する「グリーンボンド原則2021」、および「環境省グリーンボンドガイドライン2022年版」への適合性について、株式会社日本格付研究所(JCR)からセカンドオピニオンを取得し、最上位の評価「Green1(F)」を受けています。

 

本債券で調達される資金は、京都市が取り組むSDGsの達成に資するグリーン化事業に充当され、主な事業内容は省エネ改修事業(施設のLED化)、環境性能に優れた市有施設の整備事業、河川整備事業です。

 

「仏教精神に基づく女子教育」を建学の精神とする光華女子学園では、学生一人一人に寄り添う教育の実践のため、これまでもこうした有価証券投資による資産運用収益を学生・生徒・児童・園児への奨学金や家庭の経済支援、教育研究活動の向上のために活用しております。今回、本債券を購入することで、SDGsへの取り組みとして、環境・社会・経済の課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

 

光華女子学園は、これからも学校法人としての公共性・公益性に鑑み、その社会的使命と役割を果たすとともに、グローバル社会の直面するさまざまな課題解決に貢献してまいります。
また、今後も適切なリスク管理のもとで、社会的責任の観点も考慮し、安定的な運用益を確保するため、資金の運用を継続的に実施していきます。

 

本件に関するお問い合わせ先
学校法人光華女子学園 学園運営部 TEL075-325-5214

予が如き頑魯の者、あに敢てせんや。

2022.12.05

 この言葉は、平安時代中頃の僧で、日本浄土教の祖と言われる源信僧都(九四二~一〇一七)の言葉で、その著『往生要集』の「序」にあります。そこには源信僧都が著した念仏往生の指南書ともいうべき『往生要集』撰述の趣旨が述べられています。当時、源信僧都は僧侶の中で「学徳」の第一と評される僧でした(『続本朝往生伝』)。その僧都が、自らのことを「予が如き頑魯の者」(私のような頑なで愚かな者)と表わしたのでしょうか。

 僧都が生きた時代は日本が末法の時代に入るという末法元年(永承七年、一〇五二)を前に自然災害、疫病の流行、争いの頻発など、人々の生活は悲惨な状態で、まさに末法の世の到来を実感させる時代でした。「序」には「濁世末代」と述べられています。このような時代であるから人々は、往生極楽の教えや修行を自らの「目足」とし、求めて精進していました。しかし、顕教といい密教といいその教法は一つではなく、いろいろの修行法もあり難しい選択でした。智力に優れ、精進を怠らず実行できる人は自力で往生極楽することも可能であるかもしれないが、「予が如き頑魯の者」には精進に堪え目的を達すること(往生極楽すること)が出来ない。と、自らを含め多くの人々の現実を理解されたのです。そうして源信僧都は、これまで学び修めてきた教法の中から、阿弥陀仏の本願念仏による救済を頼むことを勧められました。『往生要集』はこのようにして撰述され「この故に、念仏の一門に依りて、いささか経論の要文を集む。これを披(ひら)いてこれを修むるに、覚り易く行い易からん。」と述べておられます。源信僧都は本文「正修念仏」のの中に「大悲倦き(ものうき)ことなくして常に我が身を照らしたまう。」と述べられ、阿弥陀仏の大慈悲の光明は、遍く十方世界を照らし、念仏の衆生を摂取して捨てることはない。「頑魯の者」である私もまたかの摂取の光明に照らされてある。と、感激の言葉を述べておられます。

 この源信僧都の「頑魯の者」は、自らを見つめ自らに名乗られた法然上人の「愚痴の法然坊」、親鸞聖人の「愚禿親鸞」の名乗りを思い出します。                     二〇二二年十二月

 ※親鸞聖人は源信僧都を、お釈迦さまの説かれた念仏をとなえることによって阿弥陀仏の浄土に往生するという本願念仏の教えを正しく伝えてくださった印度・中国・日本の七人の高僧の六番目・第六祖として尊崇されています。

健康科学部医療福祉学科社会福祉専攻の学生がオレンジリボン運動を行いました

2022.11.29

11月9日(水)、オレンジリボン運動の一環として、健康科学部 医療福祉学科 社会福祉専攻1年生の有志の学生たちが、光華小学校5年生の児童を対象に、オレンジリボン運動の紹介とともに、子ども虐待をテーマに講義を行いました。

 

「オレンジリボン運動」は、子ども虐待防止のシンボルマークとしてオレンジリボンを広めることで、子ども虐待をなくすことを呼びかける市民運動です。オレンジリボン運動を通して子どもの虐待の現状を伝え、多くの方に子ども虐待の問題に関心を持っていただき、市民のネットワークにより、虐待のない社会を築くことを目指しています。(認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークのHPより抜粋https://www.orangeribbon.jp/

 

本専攻ではオレンジリボン運動に力を入れて取り組んでおり、多くの学生が有志で活動に参加していま す。今回は児童が虐待についての正しい知識を習得し、虐待を予防したり、虐待を解決する方法を身に付けることを目的に学園内連携として開催いたしました。

 

講義は2クラスに分けて行われ、学生の質問に対し児童が思い思いに意見を発表したり、クイズではグループに分かれてディスカッションをしたり、児童も積極的に講義に参加していました。

 

講義後、児童からは「自分が嫌だと感じたことを意思表示することの大切さを知れた」「オレンジリボン運動を知ることができて良かった」といった声がありました。

 

 

 

また、11月18日(金)には同専攻1年生の別グループが京都四条河原町の交差点でチラシを配布し、オレンジリボン運動の周知を行いました。

 

多くの人が立ち止まって学生の話に耳を傾けていただき、150枚のチラシを配布することができました。

 

 

本学がオレンジリボン運動に参画したのは今年で2年目となります。これからもオレンジリボン運動の取り組みを広げ、子ども虐待のない社会を築くことを目指していきます。

第6回KOKA ENGLISH CONTESTを開催しました

2022.11.21

11月13日(日)、第6回KOKA ENGLISH CONTESTを開催しました。

本コンテストは株式会社わかさ生活、株式会社京都銀行、株式会社ECC、株式会社EdulinX、コアネット教育総合研究所、株式会社リクルート、株式会社LoiLo、京都新聞、京都府教育委員会、京都市教育委員会にご後援をいただき、学校法人光華女子学園が2017年度から開催しており、今回で6回目を迎えます。
英語を学ぶ子どもたちに、日頃の成果を発表する機会を提供することで、英語での表現力、コミュニケーション力を高めるとともに、英語を学ぶモチベーションの向上に寄与することを目的としています。

 

114名の応募の中から予選を突破し、本選に進んだのは幼稚園・保育園児から高校生まで27名。本学園からも小学生2名、中学生1名、高校生1名が参加しました。

 

今回は光風館講堂での開催で大きな舞台でのコンテストとなったため緊張した様子も見られましたが、日頃の学習とこのコンテストに向けて積み重ねてきた練習の成果を披露してくれました。

 

スピーチの部(D・E)は「SDGsの実現に向けて」のテーマを基に自己の意見や思いをまとめた原稿を作成し、発表する部門です。年々内容も深まり、各自、各学校での取り組みの成果が見られました。

 

 

同志社女子大学名誉教授 杉野 徹先生を講師にお招きした記念講演では、「英語って楽しいな」と題しご講演いただきました。音楽を用いて会場を巻き込んだご講演に参加者は笑顔で聞き入っていました。

 

 

今回は新型コロナウイルス感染症対策のため、YouTubeによるオンライン生配信を行い、多くの方々にご覧いただくことができました。

 

 

【表彰結果】
◆暗唱の部A 幼稚園・保育園(年少)~幼稚園・保育園(年長)
金賞 畑 侑吏さん
銀賞 島本 龍さん
わかさ生活賞 松島 皐月さん
コアネット賞 津村 桃花さん
優秀賞 岡田 恭榎さん

 

◆暗唱の部B 小学校(1年生)~小学校(4年生)
金賞 入江 ヒカル 姫愛さん
銀賞 柳瀬 るんさん
京都銀行賞 岩田 ゆきさん
コアネット賞 岡本 佳奈さん
優秀賞 荘子 大祐さん

 

◆暗唱の部C 小学校(5年生)~中学校(3年生)
金賞 柳瀬 うるるさん
銀賞 鹿野 翔太さん
ECC賞 脇田 玲那さん
コアネット賞 山本 芽咲さん
光華賞 荒木 海寧さん
優秀賞 佐伯 咲太朗さん

 

◆スピーチの部D 小学校(3年生)~小学校(6年生)
金賞 渡邉 綾乃さん
銀賞 東 希々花さん
EdulinX賞 福西 慶人さん
コアネット賞 小林 史果さん
優秀賞 橋本 理子さん

 

◆スピーチの部E 中学校(1年生)~高等学校(3年生)
金賞 中村 禮仁さん
銀賞 中井 洋子さん
EdulinX賞 西本 実乃梨さん
コアネット賞 藤川 紗代さん
優秀賞 石田 哲彬さん
優秀賞 大槻 陽菜さん

真宗大谷派第26代ご門首 大谷 暢裕様が本学園にご来訪いただきました。

2022.11.18

10月31日(月)、真宗大谷派第26代ご門首 大谷 暢裕様とご門首夫人、内事部部長に光華女子学園をご訪問いただきました。

 

光華女子学園は、真宗大谷派(東本願寺)第24代ご門首夫人の故大谷智子裏方が、「仏教精神に基づく女子教育」を発願し、東本願寺をはじめ有縁の方々から物心両面の援助を受けて設立された学園です。

 

当日は各校園の授業の様子をご覧いただいた他、小学校、中学校の新棟「和順館」の施設のご紹介や本学学生・生徒7名との座談会が行われました。

 

まず、大学・短期大学部の授業では、リベラルアーツ教育科目である「仏教の人間観」をご覧いただきました。この科目は全ての学生の必修科目であり、仏教精神に基づく女子教育に取り組む本学にとって大切な授業です。その後は、看護学科、医療福祉学科 言語聴覚専攻、こども教育学科の授業にご案内し、「総合英語」「画像診断学演習」「保育内容(総合表現Ⅱ)」の様子をご覧いただきました。
幼稚園では、本園が力を入れて取り組んでいる英語教育・サークルタイム・絵本の読み語り・運動遊びを、小学校では新しくなったグラウンドでの体育や宗教の授業をご覧いただきました。
高等学校のイングリッシュコモンズではご門首から生徒に対し、授業で生徒がどのような発表をしているのかを英語でご質問されたり、化学の授業では生徒から実験内容についてご門首に説明させていただくなど、ご門首とお話させていただく機会もあり、生徒にとってとても貴重な体験となりました。

 

その後、高等学校の茶道部が呈茶を行い、座談会となりました。座談会では女子校・女子大学で学ぶ魅力や将来の目標などについてご質問いただき、学生・生徒からは、性役割に縛られず、さまざまなことにチャレンジできる、女子同士ならではの楽しさがあるなどの発言がありました。また、将来の目標に関しては、現在の学びや興味のある事柄を交えて、それぞれが自らの目指す姿を語りました。

 

 

 

 

 

今後も真宗大谷派学校連合会加盟校の一つとして建学の精神を大切にし、在校生をはじめ、同窓生や地域の皆さまにとって「ワクワク感漲る学園」となるよう、全力で取り組んでまいります。

2022年度「学園報恩講・追悼法要」を厳修しました

2022.11.10

11月7日(月)、本学園光風館講堂において学園報恩講・追悼法要を厳修しました。
学園報恩講は、宗祖親鸞聖人のご命日をご縁に、聖人の恩徳を感謝するとともに、聖人の御教えを改めて聞思する機会として、親鸞聖人によって開顕せられた浄土真宗の教えを建学の精神とする真宗大谷派関係校である本学園において、最も大切にしている宗教行事です。

 

親鸞聖人のご命日は11月28日ですが、その日は浄土真宗大谷派本山東本願寺で勤められている本山報恩講のご満座(最終日)にあたるため、本学園では、阿部恵水初代中学・高等学校校長のご命日である11月7日に繰り上げて、本学園関係物故者の追悼法要とともに執り行っています。

 

各校園から、園児・児童・生徒・学生、同窓会代表、教職員が参列し、園児から大学生までの代表による献灯、献花、焼香が厳かに行われました。

 

 

 

その後、速水 馨 先生(真宗大谷派 研修部 部長)による法話では、ご自身がインドのコルカタでマザー・テレサに会われ、「死を待つ人々の家」でボランティアをされた体験と、阿弥陀経の教えや親鸞聖人の教えを照らし合わせ、どのようなことでもまずは一歩前進することが大切であるとお話いただきました。

 

 

「煩悩具足の凡夫」

2022.11.02

『歎異抄』の第三条には
「煩悩具足のわれらは、いずれの行にても、生死をはなるることあるべからざるをあわれみたまいて、願をおこしたまう本意、悪人成仏のためなれば、他力をたのみたてまつる悪人、もっとも往生の正因なり。よって善人だにこそ往生すれ、まして悪人はと、おおせそうらいき。」
とあります。
 生死の苦しみから離れようと心がけても、その道をさえぎる煩悩に溢れている私たちは、どんな行いをしてもその苦しみから離れることはできません。一言で煩悩と言ってもさまざまな煩悩があります。なかでも三毒として知られる「貪瞋痴(とんじんち)」の煩悩は、人間の欲と貪り、怒り憎しみ、そして本当のことをそのままみること、受け取ることができないことをいいます。親鸞聖人も仏教を学んでいく中で、自分が自分のことをいかに分かっていなかったかということを知り、自分の愚かさに気づいていきました。
 そのような学びを経て、親鸞聖人は、自らのことを「愚禿釈親鸞」と名のり、その名のりのもとに生涯を送りました。「愚禿」とは、自らが愚かな凡夫として生きていることを確かめる言葉です。これは親鸞聖人自らも煩悩に溢れて生きている存在に他ならないことを表しているのでしょう。それは私たちと何も変わらない姿ではないでしょうか。ただし、私たちは、ことあるごとに自分たちが正しいことをした、善い人として生きていると思ってしまいます。そのような自分勝手な思い、煩悩にあふれる私たちを踏まえると、親鸞聖人の「愚禿」という名のりには、常に自らと真正面に向き合い、自らを偽らずに生きていこうとする親鸞自身の決意を感じることができるのではないでしょうか。
 私たちも煩悩に溢れていることを自覚することが大事なのでしょう。ただそれは難しく、多くの人はその煩悩に向き合うこともなく過ごしています。しかし、その現実から目を離している限り、私たちが心の底から人間として生きていくことは難しいのではないかと思います。

令和4年度 学園長賞表彰式を行いました

2022.10.19

10月11日(火)、令和4年度 学園長賞表彰式を行いました。
学園長賞は、本学園の在学生で、学業・文化・スポーツ等において特に優秀な成績を修められた方や、ボランティア活動等で地域に貢献などをされた方を表彰する制度です。
今回は、個人で8名、団体で4団体、特別表彰で1団体が表彰され、学園長から表彰状と記念品が贈られました。
学園長からは受賞者一人一人にあたたかい言葉が贈られ、また、受賞者からは今後に向けた力強い宣誓がありました。入賞者の皆さんのますますのご活躍を期待いたします。