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2019年度「涅槃会」を開催しました

2020.02.17

こんにちは。
2月14日(金)、浄土真宗大谷派宗門関係校である光華女子学園では「涅槃会(ねはんえ)」が行われました。

 

涅槃会とは、

お釈迦様がお亡くなりになった日(2月15日)にお釈迦様を追悼する法要のことで、学園宗教行事のひとつです。

 

 

 

当日は京都光華中学校1年生と教職員が参列し、
本学園理事長・学園宗教部長の阿部恵木氏から法話をいただきました。

 

 

法話では、仲間の強弱を認識するサルと
序列を作らず和解するゴリラやチンパンジーの習性の違いを例に、
「自分の姿に気づくことが大事なのですよ」と説かれました。

 

サルは食べ物を前に、群れの中で強いサルが弱いサルを敵対する習性、
ゴリラやチンパンジーは、食べ物を強い者が弱い者に譲る習性があります。

これは、ゴリラなどの人間に近い類人猿が集団で居やすくするためには
他者との協力や和解を重んじているからだと言われています。

 

 

講師は
「進化してきた人間ではありますが、
現代社会に生きる私たち人間は、

ともすれば自分の利益を中心に行動してしまっているかもしれません。

学校、職場、地域、家族の中で自分の姿はどうでしょうか。」と問いかけられました。

 

 

仏様の願いは、

人間だけではない「一切の生きとし生けるものは幸せであれ」というものです。
幸せになる道、仏様の願い(慈悲)に応える生き方は、
「八正道」(*1)の実践で得られる両極端に偏らない「中道」(*2)の境地にあると説かれています。

 

仏教行事をとおして、自己を省みる日になりました。
「光華((「こ」向上心)、(「う」潤いの心)、(「か」感謝の心))の心」を持ち、正しい行いのもといつもバランスのとれた生き方を目指したいです。

 

*1「八正道」とは、悟りの境地に達するための正しい8つの行動のこと:

「正見」、「正思」、「正語」、「正業」、「正命」、「正精進」、「正念」、「正定」
*2「中道」とは、両極端に偏らない中間の道のこと

(企画財務部職員A)

鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ(坂村真民)

2020.02.03

鳥は飛ばねばならぬ 人は生きねばならぬ

我が家の居間に掛けられていた一幅の詩。物心のついた私は不思議さを憶えたものです。

鳥は飛び、人は生きる。

この極めて当たり前のことが、改まって書かれていることにも・・・。

この詩が、作者の荒ぶる強い筆圧によって書かれていることにも・・・。

 

しかし、齢を重ねるにつれ、私には、「ねばならぬ」と書かれたこの部分が心に染み、響いてくるようになってきたのです。

私たちは奇跡に近い確率でこの生を頂き、その授かった命を全うする中で、喜怒哀楽を繰り返します。

時には喜び、時には哀しみ、困難に直面し、乗り越えねばなりません。

大いなる力に支えられ、身近な方々に助けられ、人は生きていきます。

 

「人は生きねばならぬ」

 

それは、義務や使命からくるものだけではないでしょう。むしろ、感謝や御恩がそうさせるのではないでしょうか。

様々な支えや助けによって生かされてきたからこそ自分は生きねばならないと思えてくるのです。

さらには、単に生きるのでなく、「豊かに」生きねばならないのだと思われます。

そう思える人生を、御同朋・御同行として俱に歩みたいものです。それが浄土真宗の精神に通底するものではないでしょうか。

 

さて、この詩は、次のように続きます。

 

怒涛の海を

飛びゆく鳥のように

混沌の世を

生きねばならぬ

鳥は本能的に

暗黒を突破すれば

光明の島に着くことを知っている

そのように人も

一寸先は闇ではなく

光であることを知らねばならぬ

新しい年を迎えた日の朝

わたしに与えられた命題

鳥は飛ばねばならぬ

人は生きねばならぬ

 

「一寸先は闇ではなく 光である」

そんな強い心をもった生き方を

御縁のある皆さんと倶にできればとお念じ申し上げます。

(宗教部)

2019年度「修正会」を開催しました

2020.01.07

あけまして おめでとうございます!

寺院には元旦の仏事があります。
1月6日(月)、浄土真宗大谷派宗門関係校である光華女子学園では、「修正会(しゅしょうえ)」が行われました。

 

 

「修正会とは、新たな年を迎えて、仏さまの前で身を正し、

あらためて自分自身を見つめ直し、新たな1年を始める法要です。」
真宗大谷派東本願寺真宗会館ウェブサイトから引用)

 

昨年を振り返り、新しい決意など今年の目標も持ちたいですね。

 

2020年、光華女子学園は創立80周年を迎えます。
教職員一同、気持ち新たに未来に向かって進んでまいります!

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

(企画財務部職員A)

この世の怨みは怨みをもって静まることはありえない(『ダンマパダ』)

2020.01.06

 この一節は『ダンマパダ』(『法句経』)の中の一節です(第5偈)。
 
 アフガニスタンで長年、復興活動に携わってきた中村哲さんが、12月4日、銃撃され、亡くなられたという悲報が届きました。アフガニスタンでは、2001年9月のアメリカ同時多発テロ以降に、首謀者アルカーイダを匿っているとしてアメリカ軍により、掃討作戦が行われ、多くの犠牲者が出ました。現在は、反政府武装勢力タリバンとISによるテロや襲撃が繰り返され、治安の悪化に歯止めがかからない状況のようです。まさに憎悪が憎悪を生み出し、怨みが途絶えることなき状況であると言えます。
 
 一方、2015年11月に起きたパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を失ったアントワーヌ・レリスさんは、事件後フェイスブックに「テロリストへの手紙」を投稿し、「ぼくは君たちに憎しみを贈ることはしない」と伝えます。「憎悪に怒りで応じることは、君たちと同じ無知に陥ることになるから」です。そして、母を亡くした息子を憎しみの中で育てはしないと宣言します。このように人は絶望的な悲しみに中にあっても、なお他者を憎まないという選択をすることができるのです。
 
 先の句に続けてブッダは「怨みを捨ててこそ〔怨みは〕静まる。これは永遠の法である」と説きます。同じ愚かさの病に向かうのではなく、怨みを返さないという仕方でしか争いが止むことはないのです。
 
 憎悪に対して怒りで返すことは、愚かしいことであり、どれほどの善行をしてきたとしても全て無意味になってしまうとブッダはいいます。怒りの感情を起こさないということは無理でも、怒ってしまったとき、怒りを起こしてしまった自分自身の心と向き合い、省みることはしたいといつも思います。
 
 現代の日本社会でも憎しみが渦巻いています。もはや社会は、憎しみに分断されて瓦解しそうなほどです。しかし、私たちは次世代にきれいな世界を残していく責任があります。ブッダの言葉にあるように、憎しみに憎しみで返してもその先には悲劇しかないのです。このような時代にこそブッダの言葉に学び、自らを省みる姿勢が必要なのではないでしょうか。憎しみに憎しみで返さないよう心を鍛えていくことができる一年にしたいものです。

第10回KOKAエコアワード表彰式を行いました

2019.12.18

 

 

2019年12月12日(木)、本学園にて第10回KOKAエコアワード表彰式が行われました。
「KOKAエコアワード」は本学園創立70周年を記念して、平成22年度より実施してきた学園行事です。
①エコアイデア部門、②作文部門、③標語・短歌(和歌)部門、④ポスター部門、⑤作品部門から構成され、エコに関する作品・アイデアの中から、優れた内容を表彰します。

今回のエコアワードでは、来年学園創立80周年を迎えるにあたり、学園のエコ活動を多くの方と共有したいとの思いから本学園の幼稚園児から大学生、および教職員に加え、各学園の保護者そして卒業生にも広く募集しました。その結果、各校園から1677点もの素晴らしい作品・アイデアがエントリーされ、下記の通り部門ごとに表彰しました。
これからも光華女子学園は、学齢に合わせた環境教育と環境活動を行い、地球環境に貢献していきます。

 

 

 

~~受賞作品一覧 (金賞、銀賞、銅賞、学園長特別賞)~~

(入賞作品は学園特別賞の後に続きます)

 

<<生徒・学生等の受賞作品>>

【①エコアイデア部門 】

金賞 「光華環境教室」:

大学 こども教育学科 栗田 佳歩/石垣 理紗/野口 美香/辻 満里奈/片桐 結香/小出 夢乃

銀賞 「光華フラワーロード」:
大学 こども教育学科 石垣 理紗/米田 杏子/山本 優花/松波 志歩/桃原 奈津

 

【②作文部門】

金賞 「未来の暮らし方」:高校 2年 渡邉 詞水

金賞 「SDGsを実現させるために必要なことは何か」:大学 こども教育学科 石垣 理紗

銀賞 「地球を応援する」:高校 2年 藤岡 美羽

銅賞 「海洋プラスチックゼロを達成するために」:高校 1年 谷山 茉佑

銅賞 「食品ロスを減らすには」:高校 1年 細見 有希

銅賞 「タピオカブームとごみ問題」:大学 キャリア形成学科 田中 日菜

【③標語・短歌(和歌)】

金賞 「スマホから 視線を離して 見えたのは 木々の息吹と 地球の涙」

:大学 こども教育学科 新添 友香

銀賞 「氷とけ ペンギンたちが ホームレス」

:高校 2年 福島 寧々

銅賞 「動物も 人間と同じ なかまだよ」

:小学校 3年 西村 柚乃

【④ポスター部門】

金賞 「命を大切に」:小学校 3年 松尾 ももか

 

 

銀賞 「Let’s Eco Activity」:中学校 1年 橋本 苺花

 

 

銅賞 「身近な材料を使って…」:小学校 2年 蓮尾 慈亜

 

【⑤作品部門】

金賞 「海の生き物」 :幼稚園 植松 駿

 
 

銀賞「まいにちつかうみず」:幼稚園 藤尾 陽翔

 

 

銅賞「人魚がサメに食べられそうなところ」:幼稚園 中村 音寧

 

 

学園長特別賞「おうちであるあるこん虫標本」: 小学校 5年 谷 まどか

 

 

<<卒業生・保護者等>>

【③標語・短歌(和歌)】

学園長特別賞 「もったいない 未来を守る 合い言葉」:大学 卒業生 北川 郁代さん

学園長特別賞 「ぼくたちが エゴからエコへ 変わる時代」:中学校 在校生・弟 造田 和さん

 

<<教職員の受賞作品>>

【①エコアイデア部門】

銀賞 「ヨシ紙で紙ストローを作ってプラスチックごみを減らそう!」

:小学校 教諭 原野 のり子/小学校 教諭 太中 智也

銅賞 「光庵 ええやん エコボトル」

:大学 学務企画部 藤原 加織

 

【③標語・短歌(和歌)】

金賞 「写真映え 「いいね」欲しさに 食べ残す 地球から「いいね」 要らないの?」

:大学 就職支援センター 石井 佐季

銀賞 「照明を おとして気づく 月の影」

:大学 キャリア形成学科コモンズ 藤原 佳那

銅賞 「いいモノを 手入れしながら いつくしむ カッコいいとは こういうコトだ」

:大学 地域連携推進センター 小林 薫

 

 

~~入選作品~~

【 ② 作文部門】
入選 「 私たちにできること 」:小学校 5年 小村 美心
入選 「 エコバックでエコ 」:小学校 5年 久門 拓史
入選 「 マクドナルドのおもちゃ箱 」:小学校 5年 大治 心里
入選 「 私が地球環境のためにできること 」:高校 1年 中田 未来
入選 「 自宅での節電と課題 」:大学 ライフデザイン学科 池田 侑加

【 ③ 標語・ 短歌(和歌)】
入選 「 古着好き そんな私は エコ大使 着こなし次第で 変わる楽しさ 」

:高校 3年 舛屋 歩紀
入選 「 自分から 始めてみよう ゴミ拾い 拾ったひとつが 未来を創る 」

:中学校 3年 多田 愛望
入選 「 捨てないで ゴミと一緒に 自然まで 」

:中学校 2年 中村 玲於奈

【 ④ ポスター部門】
入選 「 限りある自然を大切に!! 」:中学校 1年 林 萌々香

 

入選 「 身近な材料を使って …」:小学校 2年 百瀬 太陽

 

入選 「 ジャングルをまもりたい 」:幼稚園 玉村 湊一朗

 

 

【 ⑤ 作品部門】
入選 「 リサイクルけん玉 」:幼稚園 藤井 杏梨

 

入選 「 エコれいぞうこ 」:幼稚園 林 知宙

 

入選 「 プリンセスのお城 」:幼稚園 望月 一海

 

 

<<教職員>>

【 ① エコアイデア部門  】

入選 「 残飯再利用計画 」:小学校 教諭 吉岡 寛和
入選 「 エコについて考える授業 」:小学校 教諭 岩本 淳平/小学校 教諭 吉岡 寛和
入選 「 地下水の利活用におけるエコ活動 」:大学 入学・広報センター 村井 伸吾
入選 「 落ち葉で堆肥を作ろう 」:大学 学習ステーション 安本 幸男/学園 学園運営部 出口 行男

【 ③ 標語・短歌(和歌)】

入選 「 マイボトル 財布同様 必需品 ペットボトルに 別れを告げる 」
:大学 就職支援センター 針谷 綾子
入選 「 その OFFが 地球 (ほし )の未来 (みらい )を ONにする 」
:大学 学生サポートセンター 細井 賀代
入選 「 税金も エコ意識も 10%増 」
:学園 学園事務局 石原 康史

2019年度「成道会」を開催しました

2019.12.10

12月6日(金)、釈尊(お釈迦様)が悟りを開かれた日をご縁に、釈尊のみ教えを改めて聞思する機会として、成道会(じょうどうえ)を行いました。

今回の成道会には、光華小学校2年生と教職員が参列し、真宗宗歌や恩徳讃などの仏教讃歌の斉唱・勤行・焼香などを行いました。

 

 

法話では、本学学園宗教部員松蔭裕氏が釈尊のお悟りまでの道のりに触れ、皆が幸せになる方法の一つを説きました。

釈尊は「自分の思ったとおりにならないこと」、「自分中心の考え方を持たないこと」が大切だと気付き、自分の悩みや考える苦しみから解放され、周りに生かされていることを悟られました。教職員もはっとさせられる法話でした。

 

 

例えば、ヘリコプターに乗って上空から京都を見たとき、飛行機に乗ってもう少し上から京都を見たとき、

ロケットに乗って宇宙から京都を見たときに、京都の見え方は変わります。

また、山を登るときでも、すそ野から見える景色と、中腹にて見える景色と、

頂上から360度周囲が見える景色は、同じ山から見る景色でも三様に全く違います。

 

 

このように、いろいろな経験を通し小さいことをこつこつと積み上げる努力をすることで、いろいろな見方や考え方をすることができるようになります。

 

自分を高め(「こ」向上心)、

他者に心を配り(「う」潤いの心)、

ありがとうの思いを致す(「か」感謝の心)

「光華(こ う か)の心」をいつも大切にしていきたいですね。
 

 

一水四見(いっすいしけん)

2019.12.02

さまざまな苦しみや悩みから脱却するためには、正しいものの見方が大切です。しかし、人間は、正しいものの見方をすることはなかなか難しいと思います。学校や会社の中でも、あるいはグループにおいても、一人でも気にいらない人がいると落ち着かないという経験があると思います。しかし、そこには単に「その人」がそこにいるだけです。結局のところ「嫌い」という私自身の心が「あの人さえいなければいいのに」という見方に傾いていき、そこから苦しみが生まれてくるわけです。そうすると、互いに傷つけ合い、最後には苦しみ合う結果になってしまうのです。

 

「認識の主体が変われば認識の対象も変化する」
仏教の考え方の一つ『唯識』に「一水四見」という言葉があります。一口に水といっても四つの見方に見える。つまり、同じものでも見る立場や心のもちようによって違うように見えてくるという意味です。

 

① 天人には水がきれいに透き通ってガラスのように見える。
② 人間の私たちには、そのままの水に見える。
③ 魚たちには住み家と見える。
④ 餓鬼には燃えた血膿に見える。

 

これは「人」「人間」「魚」「餓鬼」という立場で「水」を見た場合、それぞれ異なって見えることを例えたものです。これを私たちに当てはめてみると、私たち人間は、みんな生まれ育った環境や境遇、受けた教育、経験したことや考えてきたこと、興味を持ったことなどさまざまで、それぞれその人独自の世界観があり、価値観があります。それが大きなひとつの「ものさし」となって、いろいろな事を認識しています。

 

それでは、自分が見ている世界は、他人から見てどのように見えるのでしょうか。同じものを見ていても、気づかないことがあるのではないでしょうか。
世界というのは、実は同じ一つの世界にみんながいるのではなくそれぞれがそれぞれの世界を作り上げてそれぞれの世界を見ているということです。つまり、人それぞれが各々の世界をもっていて、どこかの接点で同じ共有をしています。そこから「つながり」が生まれてくるわけです。
人生の中で、いろいろな苦しみや悩みに出合った時、ものの見方を私自身が変えることによって、見えなかったものが見えたり、気づかなかったことに気づかされたりして、世界が拓かれていくのだと思います。

2019年度「学園報恩講」を開催しました

2019.11.15

11月7日(木)、本学園(北校地)光風館講堂において学園報恩講を開催しました。
この取り組みは、宗祖親鸞聖人のご命日をご縁に、聖人の恩徳を感謝するとともに、聖人の御教えを改めて聞思する機会として、毎年行っております。

親鸞聖人によって開顕せられた浄土真宗の教えを建学の精神とする真宗大谷派関係校である本学園において、最も大切にしている宗教行事です。
親鸞聖人のご命日は11月28日ですが、その日は本山東本願寺で勤められている本山報恩講のご満座(最終日)にあたるため、本学園では、阿部恵水初代中学・高等学校校長のご命日である11月7日に繰り上げて執り行っています。

また、お亡くなりになられた本学園の卒業生や教職員等、有縁の方々への追悼、法要も併せて執り行いました。
各校園から、園児・児童・生徒・学生、同窓会代表、教職員が参列し、園児から大学生までの代表による献灯、献花、焼香が厳かに行われました。

その後、名和達宣氏(真宗大谷派教学研究所研究員)による法話をお聴きし、自身の考えや思いだけで生きていくのではなく、自然の声や周りの人の声に耳を傾け生きていくことの大切さを考える機会になりました。

期待しない

2019.11.01

皆さんは日々の生活の中で、例えば仕事であれば、「なぜこんなに頑張っているのに認めてくれない?」、「なぜこれくらいのことを部下はわかってくれない?」、私生活であれば、「なぜ夫は私の頑張りに気付いてくれない?」「なぜ妻は自分が仕事に疲れていることに気付いてくれない?」なんて感情を抱いたこと、または口にしたことはないでしょうか?私たちは日々の暮らしの中で、周囲の人に、環境に、過度の期待をしていないでしょうか?他者への過度の期待は、自分自身を息苦しくさせ、目の前で起こっていること(もの)の価値を忘れさせてしまいます。

 

仏教では、「諸行無常」や「縁起」という言葉でこの世界や私たちの姿をあらわします。この世の全てはとどまることなく常に移り変わっており、原因や条件が相互に関わりあって存在しているという仏教の根本的な考え方であります。そのような中においては、この私も常に変化し続けており、固定した私というものはありません。しかし私たちはこの「ありのままの真実」に気づくことができず、常に自分の欲の赴くままに自分の好き嫌いや、少しでも自分が楽になるように、得するように、などと自己中心的な考え方でのみ物事を捉えてしまっている現状があります。

 

他者(環境)に対する期待は、「恒常不変な私が存在する」という思い込み、すべてを自己中心的に見てしまう我執(がしゅう)から生じます。我執があることで貪瞋癡(とんじんち)をはじめとする欲望が生まれると仏教は教えます。貪は貪り,瞋は怒り,癡は愚かさや妄想を意味します。例えば,期待をして(貪)応えてもらっても、自分の思いと違えば期待外れとなり不愉快に感じ(瞋)「何もわかってもらえない」(癡)となります。まずはその自己から離れ、相手を認めていくところ、相手を受け入れることが大切であり、そうすることで物事の本質に近づけるのではないでしょうか。

「期待しない」という考え方で日々を過ごしてみると、思うような結果にならなくとも、その原因を自分自身に探し出す習慣がつくのではないでしょうか。少し冷静に、現状を見つめなおして、今身の回りで起こっていることに、当たり前(本当は当たり前ではない日々)と思っていることに、感謝する機会としていただけますと幸いです。(宗教部)

光華女子学園 創立80周年記念スペシャルサイトを公開しました

2019.10.31

2020年9月、光華女子学園は創立80周年を迎え、ワクワクする学園をめざして加速します。
 

創立80周年の節目を迎えるにあたり、90周年、そして100周年の未来を見据え「光華ビジョン2030」を策定しました。

今後、展開する様々な80周年事業について、スペシャルサイトから発信していきます。
 

https://gakuen.koka.ac.jp/koka80th/
 

ぜひご覧ください。