(相田みつを)
入学のシーズンが到来しました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 今年もまた、様々な形で京都光華と出遇った皆さんが、夢や期待、多少の不安などいろいろな思いを抱きながら新たな道を確かめつつ第一歩を踏み出されたところだと思います。
これからの学生生活では、多くの出遇いが皆さんを待っています。その出遇いの中にはこれからの人生を決定する大きな出遇いもあるでしょう。その出遇いを通して自分が進むべき道をしっかりと見定めていただきたいと願っています。
このことばは、こころの書家・詩人と呼ばれています相田みつをさんの「出逢い」の詩の一節にあることばです。相田みつをさんの詩は、掛け替えのない尊いいのちについて、慈愛に満ちたあたたかくてやさしいことばで私達に語りかけてくださいます。このことばの後には「人間を根底から変えてゆくもの 人間を本当に動かしてゆくもの それは人と人との出逢い そのときの出逢い」と続きます。
人は出遇いとともに成長し、すべての出遇いが今の私を成り立たせていると言えます。その中でたった一人の人との出遇いが、人生そのものを根底から変えることがあります。 宗祖親鸞聖人においては二十九歳の時、師の法然上人と感動に満ちた決定的な出遇いをされました。そして、「ただ念仏して弥陀にたすけられまいらすべし」という仰せをいただかれました。この出遇いの感動と感謝のこころを憶念し終生その恩徳に励まされながらその恩に応えようとする人生を歩まれました。
この世の中の生きとし生けるものはそれそのものだけで成立するのではなく、様々な原因・条件が集まり起こって成立するものです。すべては他のものと無関係にあるのではなく、多くのものとつながりあって多くのものに支えられて存在しています。そのすべてを成り立たせている最も大きな要因が出遇いであり、日々の出遇いの連続が今の私を成り立たせていると言えます。また、出遇いの根源とは、限り無くはかりしれない、大きくて果てしない遠い遠い遥か昔からのご縁がはたらいていたからに他なりません。
仏教とは出遇いの宗教であります。様々な他者と出遇い、それを通して本当の自己に出遇い、その一切を成り立たせている大きなはたらきに出遇うことです。
皆さんも一つひとつの出遇いを大切にしていただきながら、自分自身の真の姿を見つめられ、そのことにより真実の教えに出遇っていただきたいと思います。(宗)
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