人間は、生きている上でずっと頑張り続けることは出来ないものです。時には頑張り、時にはのんびりと心身を休める時が必要です。
私たちはどうしても日々生活を送る中で、ONとOFFのバランスを見失い、頑張り過ぎたり頑張らなさ過ぎたりすることがあると思います。そうなると心身のバランスが崩れ、健康的な生活を維持することができなくなります。
一つ例えると輪ゴムは、伸縮を利用して、何か物を留めるときに伸ばして使います。その分、輪ゴムは劣化します。さらに、長期間伸ばした状態にしておくと、その劣化は早くなります。しかし、使わないときは、伸びない状態のままですので輪ゴムに負荷はかからず、劣化は防げます。人間も同じで、頑張り過ぎがたたって病気や怪我をしたり、頑張り続けると中だるみしたりします。やはり、メリハリをつけてONとOFFを上手く切り替えることが大切です。
仏教に「中道」という言葉があります。一方にかたよらない穏当な考え方・やり方、執着を離れ、正しい判断をし、行動するという意味があります。
お釈迦様が菩提樹の下でお悟り(成道)を開かれた時、五人の比丘(弟子)に、「比丘たち、出家した者はこの二つの極端に近づいてはならない。二つとは何か。第一にさまざまな対象に向かって愛欲快楽を求めるということ、これは低劣で、卑しく、世俗の者のしわざであり、尊い道を求める者のすることではない。また、第二には自ら肉体的な疲労消耗を追い求めるということ、これは苦しく、尊い道を求める者のすることではなく、真の目的にかなわない。比丘たち、如来はそれら両極端を避けた中道をはっきりと悟った。」と説かれました。(初転法輪)
つまり、私たちは心身とも健康で生きる上で、何事も両極端にするのでなく、一方にかたよらず「バランス」をはかり、「メリハリ」をつけることが大切です。是非一度、自分自身を見つめ直していただく機会にしていただければと思います。(宗教部)
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