「独生独死独去独来」(仏説無量寿経)仏教の言葉です。耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ひとりで生まれ、ひとりで死んでいく。
ひとりでこの世にやって来て、ひとりでこの世から去っていく。」
大変寂しい響きに聞こえますが、これが私たち生きとし生ける者の命の真理とも言えます。
広辞苑によれば、「人間」という言葉は、「じんかん。人の住む所。世の中。世間。」と記され、人と人との関係性を表す言葉だと理解できます。
しかし、その「人間」ですら、ヒトとしては「独生独死独去独来」なのです。況んや他の生物をや、となるのではないでしょうか。
「バラバラでいっしょ-差異(ちがい)をみとめる世界の発見」
今から20数年前、「蓮如上人500回御遠忌」の際、真宗大谷派(東本願寺)が掲げたスローガンです。現在、国際社会でグローバル化が進められ、盛んに言われているSDGs、持続可能な共生社会の実現に先んじたものとも言えます。「山川草木悉皆成仏」という仏教の根底にある精神こそが共生社会の実現の鍵だと思われます。
「ひとりじゃない」
1 人と生まれたことの意味をたずねていこう
人はひとりでは生きていけない ほら ひとりじゃない
うれしい時は 誰かが一緒に喜んでいる
つらい時は 誰かがそばで支えてくれる
ひとりじゃない ひとりじゃない 昔も今もこれからも
この詩は、2年後の2023年にお迎えする「宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年」慶讃テーマソングで優秀賞を受賞された串馬千聖(くしま ちさと)さんが作られました。受賞後のインタビューで串馬さんは次のように語っています。
「『自分ひとりでは何もできないよ。』 母がいつも言っている言葉を思い出しました。私も含め、若い人たちは人と関わるのが面倒くさいと思ったり、ひとりになりたいと思ったりします。しかし、たとえひとりでいたとしても、自分のことを想い、考え、見守ってくれる家族や友人、ご先祖様がいることを忘れないでおこう。そして、私も大人になったとき、家族や友人のことを想い、考え、見守れる優しい人になりたいと願い、この詞を書きました。」
串馬さんは京都光華高等学校2年生在学時にこの作詞をされました。現在は、京都光華女子大学こども教育学部に通っておられます。
「独生独死独去独来」の我が身、我が命ではありますが、この詩のように「生まれたことの意味をたずね」ることを通して、「共生社会」の中で、「誰か」と倶に生きていければ、この上なく幸せなことだと思われます。
串馬さんの詩は、以下のように続きます。
2 人と生まれたことの意味をたずねていこう
人はひとりになりたい時もある でも ひとりじゃない
晴れの日 くもりの日 誰かが遠くで見守っている
雨の日風の日 誰かが離れて祈ってくれる
ひとりでも ひとりじゃない 昔も今もこれからも
3 人と生まれたことの意味をたずねていこう
決して途切れない未来へつなげていこう
うれしい時は 私が一番に喜んであげる
つらい時は わたしがそばで支えてあげる
ひとりじゃない ひとりじゃない 昔も今もこれからも(宗教部)
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