「念仏もうさるべし」『蓮如上人御一代記聞書』
あけましておめでとうございます。
今月のことば「念仏もうさるべし」。このことばは、蓮如上人が京都の勧修寺村の道徳という人に語ったとされることばの一節です。1493年の元旦、蓮如上人の元を訪れた道徳は、蓮如上人に「あけましておめでとうございます。」と新年の挨拶をしました。すると蓮如上人は、「道徳はいくつになるぞ。道徳、念仏もうさるべし。」と言葉をかけたと伝えられています。これはおそらく新年の修正会のお参りに道徳が来た時の出来事。普段より親交があった二人、蓮如上人が道徳の年齢を知らなかったはずはありません。「念仏もうす」とは仏の教えに触れること。このことばの意味は、単に年齢を問うものではなく、儀礼的に挨拶をした道徳に、日常に追われていないか?常に仏の教えに向き合って我が身を振り返っているか?と改めて問うものだったのだと思います。
私達は、忙しさに追われ、生きる意味や何を拠り所としてどのように生きていくのか等と我が身を振り返る時間を持つことを忘れがちです。蓮如上人は元旦の今、気持ち新たに自分の生き方を見直しなさいと伝えているのだと思います。
当時、道徳は74歳、蓮如上人は79歳。時は無限にある訳ではありません。明日が今日と同じように続くと思いがちな日常、そんな気持ちで日々を送るのは時が空しく過ぎるだけ。一日一日を大切に、生きる目的や拠り所を改めて見つめ直しましょうという晩年の蓮如上人からのメッセージなのではないのでしょうか。(宗教部)
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