昔々、インドのある町に、お釈迦さまがお立ち寄りになり、尊いお話をされることになりました。
その町に一人の女の子が住んでいました。女の子は貧しく身よりのない身でしたが、明るく一生懸命に生きていました。女の子はうわさをきいて、ぜひお釈迦さまのお話を聞きたいと思いました。でも、お釈迦さまのお話を聞くためには、お供えの「灯り」を持っていかなければならないことになっていました。
女の子には入れ物や油を買うお金も十分にはありませんでしたが、少しずつ働いてお金をため、ようやく小さな入れ物とわずかな油をゆずってもらうことができました。
さて、お釈迦さまがお話をされる広場には、人々がお供えした、りっぱな灯りが燃えていました。女の子はそれを見て、自分の灯りがあまりにも小さいので恥ずかしくなりましたが、「私は私にできることを心をこめてすればいいんだわ」そう思い直して、自分の小さな灯りを広場の片隅にそっとおきました。
いよいよお釈迦さまのお話が始まろうとしたときです。突然強い風が広場を吹き荒れました。そのためにお釈迦さまの前にお供えしてあった、たくさんのりっぱな灯りも一度に消え、あたりは一瞬でまっくらな闇に包まれてしまいました。
ところがよく見るとお堂の片隅に置かれた、あの小さな灯りだけが、強い風にも消えないで静かに燃え続け、あたりを照らしているではありませんか。「それにしても、お金持ちがお供えしたあのりっぱな灯りでさえ消えたのに、なぜこんな小さな、みすぼらしい灯りだけが消えなかったのだろう?」だれかが不思議そうに言いました。
その時です。それまで黙っていらっしゃった、お釈迦さまがこうおっしゃいました。「この灯りを消すことが出来るものはいないだろう。なぜなら、この灯りは本当に仏さまの心がわかった者がささげてくれた灯りなのだから・・・この世界を吹き飛ばすほどの嵐が吹いたとしても、この灯りだけは決して消えることがないであろう。そして、仏さまの教えとともに、いつまでも燃えつづけるであろう。」
そして女の子のともした「灯り」は燃え続けました。お釈迦さまの教えとともに、いつまでもいつまでも燃え続けました。 私たちの光華女子学園にもこの「灯り」は伝わり、今もまだ燃えつづけています。私たちもあの女の子のように、この「灯り」を決して消すことなく心の中で燃やしながら、自分自身のいのちを精一杯生きていきましょう。(宗教部)
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