(けいいちげ ことしほうおんのだいいっせい)(句仏上人
明けましておめでとうございます。新しい年を迎えました。今回は本学の創立を発願され、お亡くなりになるまで本学の総裁であられた大谷智子裏方の義父、東本願寺第二十三代宗主彰如上人の句を紹介します。彰如上人は俳句などの道をよくされ、俳号を「句仏」と号されたことから、「句仏上人」ともよばれました。そして、上人の詠まれた句は単なる風流のみでなく深い仏の教えを潜めるものでした。
この句は、新しい年を迎えた早朝、親鸞聖人をまつる東本願寺の御影堂で、上人自らが導師となって一年で最初のお勤め(読経)をされたときに詠まれた句です。
「磬」とは、読経の最初に打つ、いわゆる「かね」のことで、「一下」とは、「磬」を打つ棒で一振り打ち鳴らすことを言います。この最初の一振りが、新年を迎えて、私たちをいつも慈悲の心でつつんでくださって いる仏さまのご恩、その教えを伝えてくださった親鸞聖人のご恩、共に生きるすべてのもののご恩へ報いる、新年最初の「お勤め」の第一聲であると、句仏上人の報恩の心で生きる一年の始まりを詠まれています。
新年に当たって、私たちも、慈悲心に包まれ、生かされて共に生きる自らを見つめたいものです。
昭和十五年四月、光華高等女学校の開校に当って、句仏上人から「光華女学校の開校を祝して」と題した
無量光(むりょうこう)の 恵みに咲けよ 若ざくら 句仏
が寄せられました。(宗)
※無量光=仏の放たれる限りなき光のこと。阿弥陀如来の別名
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