元旦や 今日のいのちに 遇う不思議 (木村無相)
明けましておめでとうございます。新しい年を迎えた今月の言葉は、真宗の教えを喜ばれた念仏者で、多くの詩を遺された木村無相さんの言葉です。
木村無相さんは波乱の幼少期を送られました。そして、青年期になって親を怨むような自らの心のあり様に気がつかれ、以降、求道の道を歩かれました。その道程も幾度もの挫折を繰り返し、五十才半ばにして、一生懸命道を求めてもどうにもなっていない自分を「しみじみ思う身の愚か」と嘆かれています。しかし、そんな愚かな私が救われる道があることに気づかされられました。其れは阿弥陀如来の本願をたのむ事であり、念仏往生の道にしたがってお念仏を申していくということでありました。そのときの喜びの歌が「道がある 道がある たった一つの道がある 極重悪人唯称仏」です。
この真宗の教えを喜ばれた木村無相さん、私たちはこのように願われて生きている身であり、幾多の「めぐみ」によって生かされている、「おかげさま」で生きていることを十分に存知していても、元旦を迎えて、今、生きている(生かされている)ことを実感し、「老少不定」といわれる人間のこの「いのち」に今日も私は遇うことができた。この不思議を喜ばれて吐露された言葉ではないでしょうか。
私たちは、生きていることが当たりまえと捉えがちですが、生きていることを不思議と受け止めていく生活が大切ではないでしょうか。「報恩感謝」の生活もこの「不思議」と受け止める生活から始まるのではないでしょうか。(宗)
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