六月、野や山の樹木が、春に芽吹いた新緑からそれぞれの樹木の個性をあらわす深緑に変化し大きく成長するときです。燃えさかる「いのちの息吹」を感じます。この葉や枝・幹が成長する「いのちの息吹」もそれらを支える根がしっかりと大地に張り巡らされているからにほかなりません。根は大地をつかみ樹木の成長に応じて必要な栄養や水分を供給する、成長の土台ともいうべき大切なものなのです。
今月の言葉は、浄土真宗の僧侶であり、初等教育を大切にし、「いのちの教育」の実践者であった東井義雄さんの言葉です。教育は人間が育つための土台となるものを養うことで、それが養われれば人間として自ずと育っていくということです。それでは人間の土台とは何でしょうか?
仏教は永遠のいのちを説き、そしてすべてがそのいのちに生かされて生きていることを教えています。それは、全ての生きとし生けるものはつながりの中で生かされ生きている。「お陰さま」「ご恩」に生かされていることを教えているのです。この教えを領解せしめることが人間としての成長の土台を養うことと言っていいのではないでしょうか。それが「感謝の心」「慈しみの心」「努める心」など、いのちの尊さを実践する心をもった人間を育てることとなるのではないでしょうか。
「其の光、華の如し」(『仏説観無量寿経』より)本学の校名です。校名の如く光り輝く華のように生きる人間の育成、すなわち、人間としての成長の土台(根)を養う学園として本学園は歩み続けています。(宗教部)
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