まず 聞こう
「聞く」ということは私たちにとってどのようなことなのでしょう。
ただ単に自分の耳で音を聞くだけではありません。聞くという行為には、自らが他人の声を聞くことや他から聞こえる様々な音を拾って自らが考えることなのではないでしょうか。
先日四歳になる我が娘との会話の中でふと考えさせられたことがあります。それは、娘からの他愛もない質問に対し私が説明する中で、わからない言葉や納得のいかないことがある度に、「どうして」、「なぜ」と尋ねるのです。そこで私が「黙って最後まで聞きなさい」と 言ってしまったのです。しかし、よくよく考えてみれば娘に対し間違ったことを言ってしまったと反省することになりました。
浄土真宗では、「聴聞」を大切にしています。「聴聞」とは耳を傾けて聞くことです。そして、その「聴聞」する上で一番大切なことが、「素直に聞くこと」です。
しかしながら「素直に聞く」ということは一見簡単そうですが、実は何よりも難しいことなのです。自分にとって都合の良いように聞くことはできても、話す相手の思いをそのまま間違いなく聞くことは容易なことではありません。
素直に聞くとは、まさに四歳児の娘の聞き方こそが「素直な聞き方」だったのです。わからない言葉がでてきても、納得のいかない話でも、何もかもわかったような顔をして聞く聞き方ほど、素直でない聞き方はないと思います。わからないことは、わからないと尋ね問うてゆくのが素直な聞き方なのではないでしょうか。(宗)
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