先日、寺坊のお参りでふと気付かされた経験をお話しさせていただきます。
あるお家の月参りに寄せていただいたとき、勤行が終わり、おばあさんと世間話をしている中で「もうこの年になると身体中あちこちボロボロやけどうまくつきあっていかなしょうがないな。何せ、何十年もの間、一言の文句もいわず、だまってこの体を支えてくれてるんやからな・・・感謝せな。」と仰られました。
皆さんは身体の調子が悪くなれば、どこどこが調子悪いとか痛いとか口に出すばかりで、自分自身の身体に感謝することはあるでしょうか、逆に腹を立ててはいないでしょうか?勿論、人間ですからその様に思うのは当然のことです。
人間は自分が誰かにしてあげたことはよく覚えていますが、自分がしてもらったこと、お世話になったことは、すぐに忘れてしまいがちです。
人と人との関係でもこうですから、自分の体の中のこととなればなおさらのことではないでしょうか。この身体があるお蔭で、歩いたり、走ったり、食べたり、考えたり、仕事をしたり、人間としての生活ができているのです。しかし、そのことに気付かずに当たり前になって毎日を送っているのが現実です。
要するに、自分が気付いていない、様々な働きかけによって生かされているのです。過去を振り返っても多くの方々、多くのものに支えられていたこと、現在においても当たり前のように過ごしている毎日が実は当たり前ではないと認識した上で、他者に対しては勿論、自分自身に対しても絶えずお蔭さまの気持ちを持って日々の生活に感謝することが大切なのではないでしょうか。(宗)
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