春、それは、人生の新たな第一歩を踏み出す季節です。また、多くの出遇いがある季節でもあります。
人の生涯には、さまざまな出遇いがあります。大きな出遇い、小さな出遇いの連続であります。人は、出遇いとともに成長し真の人間になっていくものであります。そうしたすべての出遇いが今の私を成り立たせてくれています。
その中には、たった一人の人との出遇いが人生にとって大きな意味をもつ、人生を根底から変えるようなことが時としてあります。
宗祖親鸞聖人は、二十九歳の時、師(よき人)法然上人と決定的な出遇いをされました。
「ただ念仏して、弥陀にたすけられまいらすべし」ということばを感動をもって受け止められました。そのことにより、親鸞聖人に「念仏申さんとおもいたつこころ」が湧きおこったのでありました。この時の出遇いの感動と感謝のこころを憶念し、恩徳に励まされながら幾多の苦難を乗り越え人生をおくられました。
仏教とは出遇いの宗教であります。自己に出遇い、他者と出遇い、その一切を成り立たせている大きなはたらき(真実の教え)に出遇うことです。親鸞聖人が、よき人である法然上人と決定的な出遇いをされ、そのことを通して真実の教えに出遇われたように、私達もこれからの一つひとつの出遇いを大切にしていきたいと思います。毎日顔を合わせている人も改めて考えてみますと実は新鮮な出遇いの連続なのではないでしょうか。(宗)
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