受験シーズンが終わろうとしています。
「孤独との戦い」
これが、誰もが抱く受験勉強に対するイメージではないでしょうか。
絶対合格できるという保証がない中、地道にコツコツと積み重ねる努力。
報われないかも知れないという不安に苛まれながら一人で格闘する受験生の姿に、私たちは、ひたすら応援をするばかりです。
さて、こんな言葉があります。
「冷たい夜と闇の濃さのなかこそ朝顔は咲くのだ」
かつてベストセラーとなった『大河の一滴』の一文です。
浄土真宗に関する著作の多い五木寛之さんの言葉ですので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、五木さんは、別の文章で、
「24時間、光をあてっぱなしにしていただけではアサガオの蕾は、ついに開きませんでした。アサガオの蕾は朝の光によって開くのではないらしいのです。逆に、それに先立つ夜の時間の冷たさと、闇の深さが不可欠である」(『生きるヒント』) と記していらっしゃいます。
冷たく深い闇に闘いながら、春を迎えた受験生の皆さん。
第一志望校に合格した皆さん、本当におめでとうございます。
一方、残念ながら、第一志望校には合格できなかった皆さん、「足は大地に、目は星に」。しっかりと前を向きましょう。
たとえ第一志望校でなくとも、そこが、ご縁のあった場所です。美しい花園です。そのご縁のあった場所を大切にしてください。
全ての受験生の皆さんが、やがて自己の人生を振り返られた時、愛する母校として胸が張れるように、充実した学生生活を四月から始められんことを、心より念じ申し上げ、最後に、次の句を贈ります。
春風や闘志いだきて丘に立つ(高浜虚子) (宗)
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