「二人で泣けば悲しみは半分になり、二人で喜べば喜びは倍になる」という言葉を実感される方も多いのではないでしょうか。 私たちは、自分にとって嬉しいことがあった時、自分だけが喜んでいるのでは少し物足りないし、誰にも相談できない悩みや苦しみを抱えていると、 気持ちが参ってしまうものです。「自分は一人ぼっちだ」「自分をわかってくれる人がいない」という思いを抱えた生活は、辛く苦しいものです。 「そんなことはない。自分は一人でもしっかりと生きていける」という方もおられるかもしれません。でもそんな方でも、重い病気にかかった時など、 本当に悩み苦しい思いをしている時、同じ悩みや苦しみを持っている方からいただく励ましやアドバイスは、非常に心強いものではないでしょうか。 自分の喜びや悩みを共有してくれる人がいると実感できる時、「ありがたい」ものです。このように「一人ではない、わかってくれる人がいる」と いうことは、生きていくうえでとても大切なことです。では、皆さんには自分のことをわかってくれる人がおられますか。「いる」と実感できる方は 幸せな方だと思います。
しかし、残念ながら私たちは、「自分のことをわかっている人がいる」と気づかず、ともすれば、「誰もわたしをわかってくれない」といって自分の殻に 閉じこもり、素直に生きられないものです。
浄土真宗の祖である親鸞聖人のご遺言の書と伝わる『御臨(ごりん)末(まつ)御書(ごしょ)』に次のような言葉があります。
一人居て喜ばは二人と思うべし、
二人居て喜ばは三人と思うべし、
その一人は親鸞なり。
「一人いるときは二人、二人の時は三人と思ってください。うれしい時も悲しい時も、決してあなたは一人ではありません。いつもそばにこの親鸞がいますよ」という意味の言葉です。 私はこの言葉を「あなたは一人ではない。あなたのことをわかってくれている人が必ずいるからね」という励ましの言葉であると受け取っています。悩み苦しい時には「自分は一人ぼっちだ」と 拗ねた気持ちになってしまい、「孤独」な世界を生きているように思ってしまいます。本当は多くの方が支えてくれているのに、そのことに気づかず、生かされている自分を忘れ、自分だけが生 きていると思ってしまいがちな私たち。そんな私たちを温かく包んでくれる言葉だと思います。(宗)
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